陸自「戦闘糧食」
10年ぶりの「ミリメシ」更新、そのお味は? 陸上自衛隊が有事や災害派遣の際に食べる「戦闘糧食」。このうち3年保存の「非常用糧食」が約10年ぶりにリニューアルされ、報道関係者向け試食会が4月、東京都新宿区の防衛省で開かれた。3月の衆院安全保障委員会で社民党議員が「あまりおいしくないと聞いている」と指摘したが、陸自トップの吉田圭秀幕僚長は「一度実食して欲しい」と自信をのぞかせた。陸自担当者が「今でも各国軍隊の評判は上々。改良でもとことんこだわった」と話す全21品を実食し、味を確かめた。(時事通信社会部 釜本寛之) かつての非常糧食は「戦闘糧食?型」と呼ばれる缶詰タイプで、冷めると割り箸が折れるほど固くなる米飯や味の濃さもあって評判はいまひとつ。2015年の調達を最後に姿を消し、今は全てパウチに入ったレトルトタイプだ。種類が豊富になっただけでなく、缶より軽く携行性に優れ、食後もコンパクトにたたんで処分しやすいなどのメリットがあるという。 パウチ型の非常糧食は米飯類の主食2種に副菜一つという組み合わせが中心。1日3食で計約3300キロカロリー相当になり、ボリュームは十分だ。トレーやスプーンと一緒に梱包(こんぽう)されており、水を掛けると熱くなる加熱材とポリ袋を使って約20分間蒸して食べる。 リニューアルのポイントは、味のバリエーション。1週間、3食とも別メニューを食べられるよう21種類を用意。しょうゆ味に偏りがちだった味付けも、みそやショウガ風味、中華やトマト煮込みなど多様にした。隊員の好みに配慮し、白飯一辺倒ではなく、チャーハンなどの味付け飯を組み合わせ、ふりかけ類も添付した。初めてのパン食や「隊員待望の麺類」というナポリタンも登場。パンとナポリタンはロシアの侵攻を受けたウクライナへの支援物資として、約11万食提供された。 21種は、メーカーと協力して300種類以上を試作した中から約70種に絞り、さらに隊員の試食会で評判がよかったものを中心に選定されたえりすぐり。保管期限を迎える3年目に消費されるため、実際に隊員の口に入るのは来年からになるという。 個々のメニュー説明や記者の主観に基づく味の感想は次の通り。※防衛省はメインの副菜を抜本的に見直したものを新メニューとしています 【時事通信社】