陸自「戦闘糧食」 (53/58)

盛りつけ全景 野外炊事車を配備している陸自は、さまざまな場所で自炊する能力を持っている。戦闘糧食は本来、こうした環境が整うまでの間や、食材が入手できない場合に食べる非常食との位置付けで、長期間の摂食を想定していない。 東日本大震災で自衛隊は「給食支援」と呼ばれる炊き出しを実施したが、隊員らは温かい食事は被災者に優先し、自分たちは冷めた戦闘糧食を選んだ。戦闘糧食を食べ続けた隊員の中には、口内炎を発症する者も見られ、ビタミン不足が原因となった可能性も指摘された。 試食会の終盤には、冷たくなったカンメシのご飯は、まるで粘土のように固くなっており、こうした食事を取りながら人命救助や行方不明者の捜索を続けた隊員の姿を思うと胸が熱くなった。 【時事通信社】