北朝鮮の軍事力 (201/288)

大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」の試射=2017年11月29日、朝鮮中央通信が報じた【AFP=時事】 北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは29日正午(日本時間同日午後0時半)、重大報道を通じ、「新たに開発した大陸間弾道ミサイル(ICBM)『火星15』の試験発射に成功した」と発表した。同テレビは新型のICBMが「米本土全域を攻撃できる」と主張し、「われわれが目標としたミサイル兵器体系開発の完結段階に到達した」と強調。現地指導した金正恩朝鮮労働党委員長は「本日、国家核武力完成の歴史的大業、ミサイル強国の偉業が実現した」と宣言した。 韓国軍合同参謀本部などによると、北朝鮮は同日午前3時17分(日本時間同)ごろ、中部の平城付近から東方に向け弾道ミサイル1発を発射。ミサイルの高度は約4500キロに達し、約960キロ飛行して青森県西方約250キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したと推定され、日米防衛当局はICBMだとみている。 ミサイルの飛行時間は約50分。小野寺五典防衛相は、通常より高い高度に打ち上げるロフテッド軌道だった可能性が高いとの見方を示した。自衛隊による迎撃措置は取らなかった。マティス米国防長官は高度に関し、これまでで最も高いと指摘した。 米専門家によれば、通常の角度で発射した場合、射程は米本土全域を含む約1万3000キロに達する可能性がある。北朝鮮が2カ月以上自制していた挑発行為を再開させたことで、国際社会が北朝鮮の核・ミサイル開発放棄に向けた圧力をさらに強めるのは必至で、緊張が高まるのは避けられない。