ロンバルディア・トロフィーの男子で優勝した宇野昌磨。ショートプログラム(SP)に続いてフリーも自己ベストの214.97点をマークし、合計319.84点で優勝した=イタリア・ベルガモ【時事通信社】 使用曲は2シーズン前と同じ「トゥーランドット」。しかし編曲も演技も変えている。今季初戦で「練習でもほとんどできていないことの方が多い」と言うフリーで、宇野は新たな挑戦を成功させた。 2本目のジャンプに、自身4種類目の4回転となるサルコーを組み込んだ。冒頭の4回転ループで着氷が乱れても引きずらず、よどみない助走から踏み切る。回転の軸が安定し、きっちりと決めてみせた。 練習での成功率が低く、失敗を覚悟していた。それでも、いざ挑戦してみると「難しいイメージを持っていたが、普通に跳べた」。関門をあっさりとクリアし、「今回跳んでみて、フリップぐらい確率が良くなると思った。自分を手助けするジャンプにしたい」。苦手どころか、武器へと変えるコツをつかんだような手応えまで得た。 演技後半の4回転フリップやトーループは危なげなく、銀メダルを獲得した昨季の世界選手権を超える自己ベストの合計319.84点。それでも表現面では「まだ半分もできていない」と言う。演技が成熟するにつれ、点数はどれだけ伸びるのか。平昌五輪シーズンで期待が膨らむ初戦となった。(ベルガモ時事)(2017年09月16日)