2019.05.13 その他

新元号は令和 (30/82)

新元号「令和」が発表されてから初めての開館日を迎えた奈良県立万葉文化館。2日は通常よりも多くの見物客が訪れた=同県明日香村【時事通信社】 平成の次の元号が「令和」に決まり、出典となった「万葉集」が脚光を浴びている。日本最古の和歌集について解説する各地の資料館には、新元号発表直後から旅行会社や観光案内所などの問い合わせが殺到。特別展の開催準備にも追われるなど、うれしい悲鳴を上げている。 万葉集の編者で歌人の大伴家持が役人として赴任していた鳥取市にある因幡万葉歴史館。金指真澄館長(67)は1日、新元号の出典を知り、喜んだ。直後から問い合わせが殺到したため、休館日だったが職員が出勤して対応に追われた。ツアーを組みたいという旅行会社の相談や、パンフレットを送ってほしいとの観光案内所の依頼もあった。 同館は2日、令和の由来となった梅花の歌の序文を紹介する特設展示を急きょ設置。来場者は通常の5倍に上り、金指館長は「若い人たちや外国人にも万葉集を知ってもらいたい」と期待を寄せる。 奈良県明日香村の県立万葉文化館も、新元号発表後、万葉集の江戸時代の写本や梅花の宴の場面を描いた絵を報道陣に公開するなど対応に追われた。 普段の来館者は一日400人前後だが、稲村和子館長は2日、「体感では2倍は来ている」と笑顔。7カ月の娘と訪れた会社員の長谷川志保さん(25)は「万葉集のことはよく知らなかったが、展示品も充実していて興味が湧いた。子どもが大きくなったらまた来たい」と話した。 家持の赴任先だった富山県高岡市でも市万葉歴史館が3日から、万葉集の関係部分の写本などを公開する特別展を開催。梅花の宴を開催した家持の父、大伴旅人の解説パネルも展示する。和歌山市の万葉館も6月上旬ごろ、漢文学や国文学に詳しい講師を招いたシンポジウムを計画している。(2019年04月02日)