ロシア軍ウクライナ侵攻 (289/716)

ゼレンスキー氏訪米で極秘作戦 夜行列車で出国、戦闘機が護衛 ウクライナのゼレンスキー大統領が21日に訪米した際、安全に移動するための「極秘作戦」が展開されたことが米メディアなどの報道で分かった。2月にロシアの侵攻を受けて以来初の外国訪問となった戦時下の指導者を、ロシアの攻撃から守る計画の一端が明らかになった。 ゼレンスキー氏は20日にウクライナ東部ドネツク州の激戦地バフムトを訪問し、最前線の兵士を慰労。報道によると、ゼレンスキー氏はその後に夜行列車で秘密裏にウクライナを出国した。 隣国ポーランドの放送局TVN24は、ゼレンスキー氏一行が21日未明、ウクライナとの国境に近いポーランド南東部プシェミシルの駅を歩いているところを撮影した。映像はブリンク駐ウクライナ米大使とみられる女性の姿も捉えている。 一行はそこで米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の黒色のシボレーなどの車に乗り換えた。近くのジェシュフ国際空港から米空軍のC40輸送機に乗り込み、21日朝に米国に向けて離陸した。 ドイツに駐留する北大西洋条約機構(NATO)の軍用機がロシアの潜水艦を警戒し、北海上空を巡回。また、米空軍のF15戦闘機が英国の基地から出動し、ゼレンスキー氏らが乗る輸送機が英国領空に入るまで護衛したという。 ゼレンスキー氏の安全な飛行が確認された後、米政府高官は電撃訪米をメディアに明らかにした。ゼレンスキー氏は米東部時間21日昼、ワシントン近郊のアンドルーズ空軍基地に降り立ち、赤じゅうたんで迎えられた。ホワイトハウスに到着後には、バイデン米大統領に「ここに来られて光栄だ」と語った。 (ワシントン時事) 写真はポーランド南東部の駅を歩くウクライナのゼレンスキー大統領(右から2人目)=ポーランドの放送局TVN24の映像より【AFP時事】(2022年12月21日)