宇宙の神秘 コズミックフォト

約45億年前の地球に別の原始惑星が衝突した想像図[国際研究チーム、ヘルナン・カニェラス氏提供]【時事通信社】 地球のマントルの最下部には、太陽系初期の約45億年前に火星サイズの原始惑星が衝突した残骸の塊が存在する可能性があると、米アリゾナ州立大などの国際研究チームが2日、英科学誌ネイチャー電子版に発表した。この衝突は「ジャイアント・インパクト」と呼ばれ、月の誕生につながったと考えられている。 地球内部は金属の核と岩石のマントル、地殻で構成される。マントル最下部には地震波が伝わる速さが周囲と違う領域が2カ所あることが知られ、古い海洋プレートが深く沈み込んで蓄積しているとの見方があった。 これに対し、研究チームはコンピューターで衝突のシミュレーションを行った結果、「テイア」と呼ばれる原始惑星のマントルの一部が地球マントルに深く沈み込み、周囲より密度がやや高い塊として残ったと結論付けた。 衝突で月が誕生した年代については、米シカゴのフィールド自然史博物館などの研究チームが10月に、少なくとも44億6000万年前と推定されると発表した。1972年にアポロ17号が史上最後の有人月面着陸を行った際、採取した鉱物ジルコンの結晶について、含まれる鉛などの元素を精密に調べて、放射年代測定を行った。(2023年11月02日)

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