韓国の空軍力 (9/12)
F5EタイガーII 韓国南西部の米空軍群山基地に駐機する韓国空軍のF5EタイガーII戦闘機。この機体は韓国中部の清州基地を本拠にする第192戦術開発訓練飛行隊の所属で、米空軍との共同訓練のために群山を訪れた(写真は米空軍提供)。F5はエンジンを2基搭載した双発ジェット戦闘機で、1950年代初頭に米空軍が航空機メーカー各社に出した軽量型ジェット戦闘機の研究要請に応じ、米ノースロップ(現ノースロップ・グラマン)社が開発を始めた。しかし、米空軍のコンペではロッキード社が開発したF104が選定されたため、ノースロップ社は自社資金でプロジェクトを継続。62年に米国が進める同盟国への軍事援助用戦闘機に採用され、63年に量産タイプのF5Aの製造が始まった。 韓国は65年から72年にかけて米国から単座のF5A88機と複座のF5B20機の供与を受けたほか、それ以降に改良型のF5E(単座)126機とF5F(複座)20機を導入。82年からF5E48機、F5F20機をライセンス生産した。旧式のF5A/Bは既に退役したが、F5E/Fはアビオニクスに独自のアップグレードを加えて近代化している。F5Eの機体サイズは全長14.5メートル、全幅8.13メートルで、アフターバーナー機能付きの米ゼネラル・エレクトリック社製J85GE21Aを2基備え、最大速力はマッハ1.64に達する。2021年時点でF5E、F5Fを合わせて190機以上を保有しており、戦術機の中では最大の機数となっている。対地攻撃兵器も搭載できるが、有事の際には北朝鮮の主力戦闘機であるMIG21の抑えとして対空戦闘での活躍を期待されている。(2005年02月13日) 【時事通信社】