ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦「福州」「寧波」 写真は上がソブレメンヌイ級駆逐艦2番艦の福州、下が4番艦の寧波で、2010年10月に他の艦艇とともに艦隊を組み、沖縄本島の西南西約120キロの海上を航行中に、海上自衛隊の航空機が撮影した(防衛省提供)。艦橋の真下の舷側に並んだ円筒がSS−N−22艦対艦ミサイルの4連装発射筒で、中に納められたミサイル本体は全長9.8メートル、直径1.3メートル、弾頭重量300キロの大きさがある。 中国がソブレメンヌイ級駆逐艦の導入を決めたのは、1995年7月から96年3月までの第3次台湾海峡危機がきっかけとされている。この時、台湾の総統選挙に軍事的圧力をかけた中国は、米国が台湾沖に派遣した空母機動部隊に手も足も出ないという屈辱を味わった。ソブレメンヌイ級駆逐艦は旧ソ連が米国に対抗する「空母キラー」として開発、主兵装のSS−N−22は射程距離は最大240キロ、弾体はマッハ3〜4.5の高速で飛行、照準データを飛行中に更新してターゲットを捕捉し続けることができる。 ソブレメンヌイ級駆逐艦4隻が配備された中国海軍の東海艦隊は台湾方面を担当しており、今も米国の空母機動部隊をけん制する役目を帯びている。なお、艦対空ミサイル(SAM)のSA−N−7は射程距離が25キロ程度とされ、航空機や対艦巡航ミサイルなど高速で近づく多数の目標に同時対応しなければならない艦隊防空ミサイルとしてはいささか力不足と言える(2010年04月10日) 【時事通信社】