旅洋I型ミサイル駆逐艦「広州」 中国海軍創設60周年の国際観艦式で、単縦陣を組んだ水上戦闘艦部隊の先頭を進む旅洋(ルーヤン)I型1番艦の広州。正装した乗組員が登舷礼を行うためにデッキ上に整列しているのが見える。船体の基本構造は旅洋II型と同一で、舷側と上部構造は滑らかに仕上げられ、マストも閉囲式になっており、ステルス性能を考えたフォルムになっている。 旅洋I型は旅洋II型のプロトタイプである1、2番艦と同時並行で建造されたが、これは異なる艦対空ミサイル(SAM)システムを比較した性能評価が目的とされる。旅洋I型が搭載するSA−N−12SAMは、マスト最上部に備えられた3次元捜索レーダーでターゲットを捉え、4基ある管制レーダーで飛行をコントロールする仕組みで、複数目標に同時対処が可能とみられる。 旅洋I型は広州と武漢の2隻で建造を終了したことから、中国海軍のミサイル駆逐艦として過渡的な位置付けにあったことは間違いない。ただし、信頼性あるロシア製のミサイルシステムを搭載しているため、中国海軍の防空戦力として重要な存在で、性能評価の終了後は2隻とも広東省湛江に司令部のある南海艦隊に配属され、南沙諸島を含めた南シナ海ににらみを利かせている(2009年04月23日) 【AFP=時事】