旅洋I型ミサイル駆逐艦「武漢」 旅洋(ルーヤン)I型は1番艦の広州、2番艦の武漢がいずれも2004年7月に就役した。旅洋II型の1、2番艦とほぼ同時並行で建造され、船体と機関は共通の仕様になっている。異なるのはレーダーシステムと対空ミサイルで、中華イージスと呼ばれる旅洋II型がアクティブ・フェイズドアレーレーダーを備え、長射程のHHQ9艦対空ミサイル(SAM)を搭載しているのに対し、旅洋I型は回転アンテナを備えた従来型の周波数走査式レーダーとロシア製で射程距離が50キロとされるSA−N−12SAMを装備した。写真は、2番艦の武漢がアデン湾での海賊対処活動に参加した際に撮影された。 SA−N−12SAMは、前甲板とヘリコプター格納庫横の後部上部構造上に1基ずつ設けられた3S90単装発射機から発射される。発射機の下にはそれぞれ24発を格納できるミサイル弾庫があり、ミサイルは発射後12秒で次弾を再装てんできる。そのほかの武装は、YJ83艦対艦ミサイル4連装発射筒4基、100ミリ単装砲1基、30ミリ近接防御火器(CIWS)2基、324ミリ短魚雷3連装発射管2基、対潜ロケット発射機4基で、Zhi9A型ヘリコプター1機を搭載できる。 旅洋I型の船体サイズは全長155メートル、全幅17メートルで、旅洋II型と同じ。ただし、フェイズドアレーレーダーを装備しないため上部構造物を大きくする必要がなく、その分、満載排水量は7000トンと旅洋II型よりも少し小さくなっている。機関はガスタービン2基、ディーゼル2基を組み合わせたCODOG式で、2軸のスクリュー推進により最大速力は29ノット(時速53.7キロ)と推定されている(2009年01月06日) 【AFP=時事】