旅州型ミサイル駆逐艦「石家荘」 中国海軍創設60周年の国際観艦式に参加するため、山東省の青島港で待機する旅州(ルージョウ)型ミサイル駆逐艦2番艦の石家荘。旅州型駆逐艦は2006年10月に1番艦の瀋陽、07年3月に2番艦の石家荘が就役、この写真が撮影された09年時点では、石家荘が中国海軍最新鋭のミサイル駆逐艦だった。全長155メートル、全幅17メートル、満載排水量7112トンで、船体サイズは旅洋I型・II型と同じだが、主兵装にはロシア製で射程距離が150キロとされるSA−N−20艦対空ミサイル(SAM)を搭載した。 旅州型は、在来型のSAMシステムを装備した旅洋I型と野心的な「中華イージス」システムを搭載した旅洋II型のちょうど中間の技術レベルに位置し、ロシアで実績のあるSA−N−20ミサイルとその射撃管制システムをそっくり導入することで、信頼性の高い防空ミサイル艦を目指したようだ。SAMのほかの武装は、YJ83艦対艦ミサイル4連装発射筒2基、100ミリ単装砲1基、30ミリ近接防御火器(CIWS)2基、324ミリ短魚雷3連装発射管2基を備えている。 旅州型は当初、どんな機関を採用しているか不明だったが、後に国産の蒸気タービン2基で2軸のスクリューを駆動させる推進方式であることが明らかになった。今や軍艦の推進機関はディーゼルやガスタービンが主流で、蒸気タービンはいささか旧式にも思えるが、これも信頼性の確保を目的にあえて国産の推進機関を採用したとみられる。この写真が撮影された数日後の国際観艦式では、石家荘が胡錦濤国家主席の座乗艦を務めているのも、旅州型の安定した性能に対する中国海軍の自信の表れのようだ(2009年04月19日) 【EPA=時事】