2021.12.07 スポーツ

【大相撲】照ノ富士 (11/101)

横綱昇進が確実になり、リモート会見に応じる照ノ富士=2021年7月19日(日本相撲協会提供) 【時事通信社】 大相撲の横綱審議委員会(横審=矢野弘典委員長)は19日、東京都内で開かれ、日本相撲協会から諮問された大関照ノ富士(29)=本名ガントルガ・ガンエルデネ、モンゴル出身、伊勢ケ浜部屋=の昇進について全会一致で「推薦」の答申を出し、73人目の横綱昇進が確実となった。 相撲協会が21日午前に開く秋場所(9月12日初日、東京・両国国技館)番付編成会議と臨時理事会を経て、2017年初場所後の稀勢の里(現荒磯親方)以来、令和になってからは初めての横綱が誕生する。モンゴル出身では5人目。 照ノ富士は、18日に千秋楽を迎えた名古屋場所で、3場所連続の優勝こそ逃したものの、14勝1敗の好成績を収めた。 両膝のけがなどにより、大関から序二段まで番付を落としながら、不断の努力を重ねて再起を果たした。会見した矢野委員長は「奇跡と言われる復活を遂げたのは、長い相撲の歴史でも特筆に値する。根性、辛抱、我慢、不屈の精神、節制といった言葉を思い起こさせる」と言い、精神力も高く評価した。 大関照ノ富士は19日、横綱審議委員会が横綱に推薦する答申を出したことを受け、オンライン形式の記者会見に臨み、「もう一回、気持ちを入れ替えて頑張っていきたい」と、引き締まった表情で抱負を述べた。 3場所連続の優勝こそ逃したものの、14勝1敗で昇進を引き寄せた名古屋場所。綱とりの重圧は感じなかったようで、「一番に集中して、落ち着いてできることを精いっぱいやろうと思っていた」と振り返る。その心境で戦えた理由を聞かれ、「答え切れない。全部の積み重ねがそういう形になっている」。両膝のけがなどを乗り越え、大関から序二段への転落を経て、はい上がって最高位を確実にした29歳は、短い言葉に思いを込めた。 21日の昇進伝達式の口上は、まだ決めていないという。「改めて、横綱はどういう地位なのか、どういう生き方をするのかを考えて、親方やおかみさんと相談してうまく形にできたらいい」。最後まで気持ちの高ぶりを見せることはなかった。