2021.12.07 スポーツ

【大相撲】照ノ富士 (7/101)

横綱昇進の伝達式で口上を述べる照ノ富士(中央)、左は伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)=2021年7月21日、東京都江東区の伊勢ケ浜部屋 【時事通信社】 伝達式を終え、照ノ富士は率直に心境を語った。「ほっとしている。頑張ってきてよかった」。ただ、その表情は終始、引き締まったまま。新たな一歩を踏み出す強い決意がにじんでいた。 口上で述べた「不動心」という言葉に、これまでの苦難の道のりが凝縮されている。両膝の大けがなどにより、大関から序二段まで転落。何度も引退を考えながら、「できることを精いっぱいやる」との一念で歩んできた。 「いろんなことがあったが、何事にもぶれない精神を持って、これからも頑張っていきたい」。再起の過程で培った心の強さは、番付の最高位を務め、各力士に手本を示す上で財産となるだろう。 新横綱として迎える秋場所に向け、「その日の一番に全てを懸けて頑張りたい」と誓った。両膝に抱える古傷が悪化する怖さとは常に背中合わせ。悲壮な覚悟を胸に29歳の新たな挑戦が始まった。