ジュニアGPフィギュアの女子フリーで演技する本田真凜=2016年9月11日、新横浜スケートセンター【時事通信社】 重圧と自身への期待につぶされそうになり、15歳の本田は苦しんだ。ジュニア世界女王として迎えた今季のGP初戦は2位。フリーで自己ベストを更新して一矢を報いたものの、10点余りも離されたSPでの出遅れは埋められなかった。 ロミオとジュリエットを演じたフリーは終始慎重な動きだったが、無難にまとめた。得点を聞くと、うっすら涙を浮かべた。「今できることをできて、ほっとした」。リンクを離れても、まだ表情は硬い。経験したことのない重圧だった。 華やかさに加え、ジャンプなど技術も非凡。ジュニア1年目で一気に頂点に立って次代の星となり、「いい自分を見せよう」と思い過ぎていた。浜田コーチは「能力は高く、華もある。でも、それに甘えてはいけない」と危うさを感じていた。終盤にダブルアクセル(2回転半)の回転が抜けた。息が上がっていた。本人は認めないが、コーチは練習不足を指摘する。勢いで駆け上がった昨季と違い、背負うものもある。2年目の洗礼を受け、ここから真価を問われることになる。