2021.08.27 11:52World eye
タリバン復権でネットから姿消すアフガンのインフルエンサーら
【香港AFP=時事】サディカ・マダドガルさん(22)のインターネット交流サイト(SNS)は、アフガニスタンの他の人気若手インフルエンサーらのものと何ら変わりはなかった。イスラム主義組織タリバンが首都カブールを制圧し、マダドガルさんの夢を打ち砕くまでは──。(写真は資料写真)
タリバンの復権で、アフガンのソーシャルメディア界には衝撃が走っている。著名なインフルエンサーらは活動をやめるか逃げ出し、一般の人々や活動家らはネット上での存在を大急ぎで消そうとしている。
音楽オーディション番組の「アフガン・スター」にかつて出場したマダドガルさんは、圧巻の歌唱力と飾らず親しみやすい人柄で、膨大な数のフォロワーを集めていた。
頭をスカーフで覆った敬虔(けいけん)なイスラム教徒のマダドガルさんが日々アップする動画は、アフガンの若者たちをとりこにした。ユーチューブでは2万1200人のチャンネル登録者、インスタグラムでは18万2000人のフォロワーを獲得している。
ある動画ではクスクス笑いながらスイカを切るのに悪戦苦闘し、別の動画ではカフェで友人が弾くギターに合わせて心に響く民謡を歌っている。
14日には初めて、あからさまな政治的メッセージをインスタグラムに投稿した。
「自分の痛みをオンラインで明かすのは好きではありませんが、これには嫌気がさしています」と記した。「この国、私の祖国が目の前でゆっくりと破壊されていくのを見ると、心が粉々に砕かれます」
その翌日、カブールはタリバンに制圧され、マダドガルさんは投稿をやめた。
■「もう安全ではない」
大勢のアフガンの若者、とりわけ女性と宗教的少数派が恐れているのは、過去にオンラインに投稿した内容が今、自らの命を危うくしかねないことだ。
1996~2001年の旧タリバン政権下では、シャリア(イスラム法)の厳格な解釈によって、女性は公の場から締め出され、少女の就学は認められず、娯楽は禁止された。また、不倫に対する石打ちの刑など、残虐な刑罰が科された。
多くの若いアフガン女性のファッションアイコンとなっていたアイダ・シャダブさんは、インスタグラムに29万人、ティックトックに40万人のフォロワーがいる。カブールにある自らの高級ブティックの最新ファッションを着た姿を、毎日投稿していた。
だがファッション系の女性起業家にとって、タリバン政権が何を意味するかについて、シャダブさんは全く幻想を抱いていない。
「タリバンがカブールを支配すれば、私のような人間はもう安全ではありません」とシャダブさんは独公共放送ZDFとの最近のインタビューで語っていた。「私のようにベールをかぶらない女性や働く女性を、彼らは受け入れられないのです」
タリバンの復権に恐怖を感じていたシャダブさんはアフガンから逃れることを決め、トルコに移住したとフォロワーに伝えた。
■投稿を削除
ザキ・アンワリさん(19)は有望なサッカー選手として、アフガンのユースチームでプレーしていた。また、ファッショナブルな服を着たセルフィーをSNSによく投稿していた。
アフガンのスポーツ連盟は19日、カブール空港を離陸する米軍機にしがみ付いていて落下し、死亡した一人がアンワリさんだったと発表した。
フェイスブックは人権活動家やジャーナリスト、市民グループの勧告を受けて、アフガン国内の利用者が自分のアカウントを即時にロックできる新たなセキュリティー措置の導入を発表した。
米国の人権擁護団体「ヒューマン・ライツ・ファースト」はデジタル履歴を削除する方法を、アフガニスタンの公用語のパシュトゥー語とダリー語で提供した。香港やミャンマーの活動家らにも提供された情報だ。
デジタル権利擁護団体「アクセス・ナウ」のラマン・チマ氏は、タリバンがシャリアの厳格な解釈を採用することを考えると、比較的ありふれたオンライン上のコンテンツも危険なものと見なされ得ると指摘する。
「タリバンだけでなく国内の他の宗教過激派からも、報復の対象にされたり、信仰心がないと非難されたり、非イスラム的だとして標的にされる恐れがある」【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2021/08/27-11:52)
タリバンの復権で、アフガンのソーシャルメディア界には衝撃が走っている。著名なインフルエンサーらは活動をやめるか逃げ出し、一般の人々や活動家らはネット上での存在を大急ぎで消そうとしている。
音楽オーディション番組の「アフガン・スター」にかつて出場したマダドガルさんは、圧巻の歌唱力と飾らず親しみやすい人柄で、膨大な数のフォロワーを集めていた。
頭をスカーフで覆った敬虔(けいけん)なイスラム教徒のマダドガルさんが日々アップする動画は、アフガンの若者たちをとりこにした。ユーチューブでは2万1200人のチャンネル登録者、インスタグラムでは18万2000人のフォロワーを獲得している。
ある動画ではクスクス笑いながらスイカを切るのに悪戦苦闘し、別の動画ではカフェで友人が弾くギターに合わせて心に響く民謡を歌っている。
14日には初めて、あからさまな政治的メッセージをインスタグラムに投稿した。
「自分の痛みをオンラインで明かすのは好きではありませんが、これには嫌気がさしています」と記した。「この国、私の祖国が目の前でゆっくりと破壊されていくのを見ると、心が粉々に砕かれます」
その翌日、カブールはタリバンに制圧され、マダドガルさんは投稿をやめた。
■「もう安全ではない」
大勢のアフガンの若者、とりわけ女性と宗教的少数派が恐れているのは、過去にオンラインに投稿した内容が今、自らの命を危うくしかねないことだ。
1996~2001年の旧タリバン政権下では、シャリア(イスラム法)の厳格な解釈によって、女性は公の場から締め出され、少女の就学は認められず、娯楽は禁止された。また、不倫に対する石打ちの刑など、残虐な刑罰が科された。
多くの若いアフガン女性のファッションアイコンとなっていたアイダ・シャダブさんは、インスタグラムに29万人、ティックトックに40万人のフォロワーがいる。カブールにある自らの高級ブティックの最新ファッションを着た姿を、毎日投稿していた。
だがファッション系の女性起業家にとって、タリバン政権が何を意味するかについて、シャダブさんは全く幻想を抱いていない。
「タリバンがカブールを支配すれば、私のような人間はもう安全ではありません」とシャダブさんは独公共放送ZDFとの最近のインタビューで語っていた。「私のようにベールをかぶらない女性や働く女性を、彼らは受け入れられないのです」
タリバンの復権に恐怖を感じていたシャダブさんはアフガンから逃れることを決め、トルコに移住したとフォロワーに伝えた。
■投稿を削除
ザキ・アンワリさん(19)は有望なサッカー選手として、アフガンのユースチームでプレーしていた。また、ファッショナブルな服を着たセルフィーをSNSによく投稿していた。
アフガンのスポーツ連盟は19日、カブール空港を離陸する米軍機にしがみ付いていて落下し、死亡した一人がアンワリさんだったと発表した。
フェイスブックは人権活動家やジャーナリスト、市民グループの勧告を受けて、アフガン国内の利用者が自分のアカウントを即時にロックできる新たなセキュリティー措置の導入を発表した。
米国の人権擁護団体「ヒューマン・ライツ・ファースト」はデジタル履歴を削除する方法を、アフガニスタンの公用語のパシュトゥー語とダリー語で提供した。香港やミャンマーの活動家らにも提供された情報だ。
デジタル権利擁護団体「アクセス・ナウ」のラマン・チマ氏は、タリバンがシャリアの厳格な解釈を採用することを考えると、比較的ありふれたオンライン上のコンテンツも危険なものと見なされ得ると指摘する。
「タリバンだけでなく国内の他の宗教過激派からも、報復の対象にされたり、信仰心がないと非難されたり、非イスラム的だとして標的にされる恐れがある」【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2021/08/27-11:52)
2021.08.27 11:52World eye
Afghan influencers go dark on social media as Taliban return
Sadiqa Madadgar's social media looked much like any other successful young Afghan influencer's until Taliban militants stormed into Kabul and upended her dreams.
The return of the hardline Islamist group has sent a shockwave through Afghanistan's social media. Prominent influencers have gone dark or fled, while residents and activists are scrambling to scrub their digital lives.
A former contestant on the reality singing competition Afghan Star, Madadgar amassed a huge following with her stunning vocals and down to earth, girl next door persona.
A devout Muslim who wears a headscarf, she spent her days uploading videos that transfixed Afghan youngsters, winning her 21,200 subscribers on YouTube and 182,000 followers on Instagram.
In one video, she giggles as she struggles to cut open a watermelon. On another, the 22-year-old is singing a haunting folk tune in a cafe while a friend plays guitar.
On a recent trip to the city of Kandahar -- the Taliban's spiritual birthplace -- she filmed herself sharing a pizza with girlfriends.
On Saturday, Madadgar posted her first overtly political post on Instagram.
I don't like to express my pain online but I'm sick of this, she wrote. My heart is in pieces when I look at the soil, my homeland which is being destroyed slowly before my eyes.
The following day, Taliban militants seized Kabul, and Madadgar stopped posting.
- 'No longer safe' -
Millions of Afghan youngsters -- in particular women and religious minorities -- fear that what they once put online could now put their lives in danger.
Few can forget the first time the Taliban imposed their ultra-conservative version of Islamic law on Afghanistan between 1996-2001.
Women were excluded from public life, girls could not attend school, entertainment was banned and brutal punishments were imposed -- such as stoning to death for adultery.
Ayeda Shadab was a fashion icon for many young Afghan women with 290,000 followers on Instagram and 400,000 on TikTok. Each day she would model the latest outfits that were stocked in her upscale Kabul boutique.
In one of the most recent videos from her range, she posed in an asymmetrical sheer ball gown as Dua Lipa's infectious dance track Levitating played in the background.
But she had no illusions about what a Taliban regime would mean for fashionable women entrepreneurs like her.
If the Taliban take Kabul, people like me will no longer be safe, she told German broadcaster ZDF in a recent interview. Women like me who don't wear a veil, who work, they can't accept them.
She was so terrified of the Taliban's return that she had to flee, telling followers recently that she had relocated to Turkey.
Other prominent celebrities and influencers who remained in the country have scrambled to follow in her footsteps.
Aryana Sayeed, one of Afghanistan's most prominent pop stars, posted a selfie on Wednesday taken on a US military evacuation flight headed to Doha.
I am well and alive after a couple of unforgettable nights, she wrote. My heart, my prayers and my thoughts will always be with you.
- Digital scrubbing -
Others have not been so lucky.
Zaki Anwari was a promising footballer who played for Afghanistan's youth team and often posted fashionable self-portraits on social media.
On Thursday, Afghanistan's sports federation confirmed the 19-year-old was one of those who fell to his death after trying to cling to a US plane airlifting people out of Kabul.
Following recommendations from activists, journalists and civil society groups, Facebook announced new security measures allowing users in Afghanistan to quickly lock their accounts.
The company, which also owns WhatsApp and Instagram said it had also set up a special operations centre to respond to new threats as they emerge.
US advocacy group Human Rights First has published advice in Pashto and Dari on how Afghans can delete their digital histories -- something they also offered for activists in Hong Kong and Myanmar.
What we heard from activists in Afghanistan were similar requests prompted by fears of being targeted when a new power took over the country's security, Brian Dooley, an advisor to the group told AFP.
Raman Chima, from digital rights advocacy group Access Now, which has also published guides, warns even relatively mundane online content could be dangerous given the Taliban's harsh interpretation of sharia law.
They may be targeted for retribution, for being accused of being infidels, or being un-Islamic in the views of not just the Taliban but other religious extremist groups in the country, he told AFP.
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