スピードスケートのW杯女子3000メートルで優勝した高木美帆(中央)=カナダ・カルガリー【EPA=時事】 最終組がレースを終えて優勝が確定。高木美はデビット・コーチに抱きかかえられた。「強かったぞ」。ソチ五輪金メダルのブスト(オランダ)も抑えた圧巻の滑走。女子3000メートルで日本記録を15年ぶりに塗り替え、堂々と表彰台の真ん中に立った。 地力が際立っていた。1周を31秒0程度でという目安は自分の中であったが、「ラップのキープを強く考えるよりは、この感覚で滑れたらということを大事にしていった」。培って物にした自分の滑りを第一に考え、安定感を崩さなかった。 200メートルを通過してからの1周400メートルのラップは30秒台が4本、31秒台が2本。ラスト1周こそタイムが落ちたものの、32秒台は及第点だった。 高地にあって気圧が低く、好記録の出やすい高速リンクで、日本選手として初めて4分を切った。田畑真紀の持っていた日本記録を4秒近く更新した。「1番を取れたことはうれしいけど、他の選手がどれくら良い(状態)かが分からない。レースの展開とかタイムの方がうれしい」。平昌五輪シーズンで新境地を開き、力強い手応えを得た。(カルガリー時事)(2017年12月01日)