復興支援、感謝を歌に＝ラグビーＷ杯開幕日に披露－開催地釜石の小中学生

　「ありがとうの言葉だけじゃ　この想（おも）いは伝えきれないよ」。ラグビーワールドカップ（Ｗ杯）開催地の一つ、岩手県釜石市の小中学生が、東日本大震災の復興支援への感謝の歌「ありがとうの手紙　＃Ｔｈａｎｋ　Ｙｏｕ　Ｆｒｏｍ　ＫＡＭＡＩＳＨＩ」を作った。開幕日の２０日に合唱を披露し、感謝の動画も公開する。
　釜石市内の小中学校１４校の代表２８人から成る「かまいし絆会議」を中心に、２０１７年から歌の制作を開始。「大切な人への手紙」として全生徒約２０００人から歌詞を募り、１８年１２月に完成した。曲は岩手県内の作曲家が、生徒らと話し合いながら手掛けた。
　歌詞は３番まであり、１番は復興を支援してくれた国内外の人たちへ、２番は仲間や友人へ、３番は家族へのメッセージをつづった。１４校の全生徒は、Ｗ杯を機に世界への感謝を伝えるため、合唱の練習を重ねてきた。

　これに合わせた動画も作成。歌は１番を使用し、元気に歌う生徒らの姿と共に、釜石鵜住居復興スタジアムで試合をするフィジーの母語など９カ国語で「ありがとう」と書いた横断幕や、伝統芸能の虎舞などを映像にまとめた。
　動画は１９日に動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開。２０日には、開幕戦のパブリックビューイングなどのイベントを催す市民ホールで上映するとともに、各校から集まった代表７７人が合唱する。
　生徒らと共に歌詞を選び、動画の編集も担当した映像監督の下山和也さん（４７）は、「物心が付いた時から『復興の時代』を生きている子どもたちは、いろいろな人の支えがあって自分たちの暮らしや町、命があることを理解している。言葉の一つ一つに思いがこもっており、歌う表情にも注目してもらいたい」と語った。
　作曲した佐藤将展さん（６０）は「素直な子どもたちの言葉を、暗くもなく能天気でもないメロディーに乗せた。歌詞の字数も計算されていないので一筋縄ではいかなかったが、非常にやりがいがあった」と振り返った。（2019/09/18-13:33）

Children in Kamaishi, hit by the March 2011 temblor and tsunami, will sing a song they wrote to express their gratitude for assistance Friday, when the 2019 Rugby World Cup opens in Japan.
   Elementary and junior high school children in the Iwate Prefecture city in northeastern Japan, a Rugby World Cup host municipality, created the song, "Arigato no Tegami #Thank You From Kamaishi." It opens with lyrics that goes, "Words of gratitude are not enough to express this feeling..."
   Kamaishi children began creating the song in 2017, led by a group of 28 students from 14 schools in the city. The song was completed in December 2018, compiled from lyrics gathered from all of the schools' 2,000 students.
   A composer in the prefecture wrote music for the song through discussions with the children.
   The song has three verses. The first one is a message for people in Japan and abroad who supported the postdisaster reconstruction, the second for friends, and the third for family members.