青葉容疑者、回復傾向に＝聴取めど立たず、解明に時間－１８日で２カ月・京アニ放火

　アニメ制作会社「京都アニメーション」第１スタジオ（京都市伏見区）で３５人が犠牲になった放火殺人事件は、１８日で発生から２カ月。全身に大やけどを負い入院中の青葉真司容疑者（４１）＝さいたま市見沼区、殺人容疑などで逮捕状＝は生命の危険がある重篤な状態を脱した。ただ、依然として集中治療室（ＩＣＵ）に入っており会話ができる状態ではなく、事情聴取のめどは立っていない。事件の動機や経緯の解明には時間がかかりそうだ。
　青葉容疑者は７月１８日午前１０時半ごろ、第１スタジオに侵入してガソリンをまき、火を付けたとされる。自身も全身に大やけどを負い、京都市内の病院から設備の整った大阪府内の病院に移され、皮膚移植手術を受けるなどしてきた。
　捜査関係者によると、青葉容疑者は医師の問い掛けの内容を理解し、うなずいたり、首を振ったりするようになった。回復傾向にあるものの、寝たきりの状態が続く。府警は３５人に対する殺人容疑、他の３５人に対する殺人未遂容疑などで逮捕状を取得しているが、留置に耐えられる状態にならないと執行できない。府警幹部は「退院までだいぶかかるのではないか」と話す。
　身柄確保時、「小説を盗まれたから火を付けた」という趣旨の話をした青葉容疑者。京アニには過去に、同容疑者と同姓同名の人物から２点以上の小説の応募があり、府警は青葉容疑者によるものとみている。インターネット掲示板には昨年秋、「京アニに現行（原文のまま）落とされた」「爆発物もって京アニ突っ込む」などの書き込みがあった。府警は同容疑者の自宅から押収したスマートフォンやタブレット端末などの解析を進めているが、関連は明らかになっていない。
　今月１７日、現場で祈りをささげた京都府木津川市の会社員桑田浩平さん（３０）は「海外からの支援も厚く、京アニは日本の素晴らしい会社なんだといまさらながら思う。アニメ業界をけん引する会社として頑張ってほしい」と話した。（2019/09/18-07:09）

With Japan marking the passage of two months on Wednesday since an arson attack on a Kyoto Animation Co. studio claimed 35 lives, authorities have yet to uncover the motive behind the attack as they wait for the suspect, Shinji Aoba, to recover from severe burns.
   Aoba, 41, is suspected of entering the No. 1 studio in Kyoto of the anime production company, known as KyoAni, at around 10:30 a.m. on July 18 (1:30 a.m. GMT), pouring gasoline on the floor and setting it alight.
   He himself suffered severe burns across his body and was taken to a hospital in the western Japan city. He was later transferred to a better-equipped hospital in neighboring Osaka Prefecture to receive treatment including skin transplant surgery.
   Investigators said Aoba is steadily recovering, and his life is in no longer in danger. He is able to respond to doctors' questions by nodding and shaking his head.
   However, the suspect is still bedridden in an intensive care unit and unable to hold a conversation.