2024.08.06 スポーツ

【陸上】サニブラウン・ハキーム〔パリ五輪〕 (62/83)

陸上の世界選手権、男子100メートル予選で力走するサニブラウン・ハキーム(右端、東京陸協)。自己記録に並ぶ10秒05(向かい風0.6メートル)で2組1着となり、5日(日本時間6日未明)の準決勝に進んだ。全体では6番目のタイム=ロンドン【時事通信社】 大舞台で自己ベストに並ぶタイムを出し、一流スプリンターに先着して自身の組をトップ通過。男子100メートル予選で今大会最初のレースを迎えたサニブラウンが、18歳とは思えない堂々の走りで悠々と準決勝に駒を進めた。底知れない強さを感じさせた快走。日本人初の9秒台、決勝進出が現実味を帯びてくるようだった。 満員の観衆を前にしても落ち着き払い、「自分のレースに集中していた」。号砲に対する反応時間は同じ組の8人中最も遅かったが、序盤で早くも抜け出すとさらに勢いを増し、9秒69の自己記録を持つブレーク(ジャマイカ)らの追撃を許さず駆け抜けた。向かい風の条件下でマークした10秒05は、世界選手権における日本選手の最速タイムというおまけもついた。 昨季までスタートが課題だったが、五輪金メダリストも指導する米国人コーチから足の回転の軌道を学んで劇的に改善した。スタートブロックで以前より重心を前に置き、出だしの3歩に集中して足裏に体重を乗せるように進むと、「最初から速いピッチで足がさばけるようになった」。スムーズな加速で得意の中盤以降につなげている。 世界選手権は2年前、日本代表の史上最年少となる16歳5カ月で経験済み。「緊張しなくて、大丈夫かなと感じた」と言ってのける口調に大物ぶりが表れる。「あしたもしっかり備えていきたい。いいレーンが次にもらえるといい」。快挙を起こしそうな気配を漂わせた。(ロンドン時事)(2017年08月04日)