2019.03.11 その他

鎮魂の3.11 (92/257)

宮城県東松島市大塩地区にある清泰寺の住職、小池康裕さん(75)が被災者のために彫る仏像が1000体を超えた。小池さんは2003年7月、宮城県北部地震で被災。寺の本堂が全壊したが、檀家(だんか)らの助けもあり半年足らずで建て直した。一方で、落ち込む檀家を励まそうと、古い本堂の木材などを使って仏像制作を始めた。約600体を作り終えた頃、東日本大震災に襲われた。寺への被害はほとんど無かったが、家族を失った檀家も多かった。「亡くなった人の魂と、残された人の心に寄り添いたい」と彫り続け、11日の法要で遺族に渡すもので1000体を超えた。「犠牲者の存在を身近に感じ続けることが心の復興につながる」と、これからも木づちを振るい続ける。(2017年03月09日) 【時事通信社】