ノルディックスキーのW杯複合総合優勝のトロフィーを手にした渡部暁斗。シーズン最後の個人第22戦も制し、今季8勝目でシーズンを終えた。日本選手のシーズン勝利数で荻原健司を抜いて単独最多となった前日に続く2連勝で、W杯で歴代10位に並ぶ通算17勝目=ドイツ・ショーナッハ【AFP=時事】 前半首位でスタートしたリーベル(ノルウェー)と一騎打ちのまま迎えた最後の直線勝負。渡部暁はゴールを駆け抜け、珍しく大声を出した。「テンションが上がった。アドレナリンが出て自然と叫んだ」。2連勝で日本勢最多を更新するシーズン8勝目。初の総合優勝を最高の形で締めくくり、「すごくいいシーズンだった」。満面の笑みをたたえて言い切った。 日の丸の赤と白をイメージした紙吹雪が舞う中、大観衆を前に総合王者の証しであるクリスタルトロフィーを受けた。「最高。これが一番取りたかった」。挑戦し続けてようやく手に入れた物に感慨ひとしおだった。 頂点にたどりつく道を「こんなに苦しいとは」と振り返る。重圧を背負い続けた長い戦いが終わり、トロフィーを抱えて「これがシーズンの重み」とも。五輪よりも価値を認めてきたW杯のタイトル。「世界一になれた証明だと思う」と言い、2大会連続銀メダルに終わった平昌五輪については「運がなかった」。来季はノルディック世界選手権があり、「そこで金メダルを取る」と誓った。(2018年03月25日)