二松学舎大付、緊張はねのけ=43年ぶり春白星―高校野球

遠のいていた1勝をつかんだ。二松学舎大付が選抜大会では準優勝に輝いた1982年以来の白星。当時中心選手だった市原監督は「甲子園で勝つことは大変。自分の時はよくすいすい勝っていたなと」。立場が変わり、難しさを痛感した様子だった。
独特の雰囲気に包まれた開幕試合。1―0の五回には、遊撃の入山がピンチで悪送球。ミスで得点を許した。「感じたことがない緊張感。甲子園は特別で弱気になっていた」と入山。一気に相手に傾きそうな流れに、自ら奮い立った。六回2死二塁、高めの直球を振り切って適時二塁打。塁上で何度もガッツポーズを見せ、「練習の成果が出た」。安堵(あんど)の表情を浮かべた。
昨秋のチーム打率3割9分4厘は出場校の中で最高。強打は売りであるものの、選手たちに打撃のチームという意識はない。自主的にバント練習に励み、四球を選んで後ろにつなぐ意識も共有。六、七回の得点は2死から奪い、粘り強かった。
同校出身の鈴木誠也(カブス)が日本で臨む米大リーグ開幕戦と同じ日。主将の日笠は「野球部として憧れの存在。絶対に勝って、(バトンを)渡そうと思っていた」。最高の形で大先輩に朗報を届けた。
[時事通信社]

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