28年ぶり札止めに充実感=浅香山親方、立役者に―大相撲九州場所
11月に行われた大相撲九州場所は、28年ぶりに15日間の全日程でチケット完売を意味する「札止め」の盛況となった。立役者となったのが、今年から九州場所担当部長を務める元大関魁皇の浅香山親方。「歓声がすごかった」と実感を込めた。
残暑が厳しい9月上旬に福岡入りし、地元の直方市をはじめ各地を奔走。プロ野球ソフトバンクの始球式でも力強い投球を披露し、注目を集めた。「皆さんに喜んでもらえて、相撲にも行くよ、と声を掛けてもらって。ありがたい」。確かな手応えを感じていた。
人付き合いは「苦手な方」だと言い、「現役時代からもっとやっておけばよかった」。冗談めかして笑う一方、9月の秋場所までの本場所全てで札止めとなっていたこともあり、「満員にしないといけないプレッシャーがあった」と明かす。重圧を力に変え、慣れない仕事に全力で挑んだ。
九州場所は観客動員で苦戦することが多い。浅香山親方は「担当の親方衆が考えて、いろいろな案を出してくれる」。入場口付近には九州の物産展やキッチンカーが並ぶ。祭りのような時間が楽しめる「相撲縁日」も好評だった。ここ数年の裾野拡大に向けた取り組みが「形になってきた」。
無論、親方が「一番は若手が元気でいい相撲を取っていること」と言うように、土俵の盛り上がりがあってこそ。一年納めの場所は新大関の大の里に注目が集まり、琴桜と豊昇龍の両大関が千秋楽に相星決戦するなど、内容も充実していた。「来年はこれ以上の盛り上がりを目指したい」。今後もファンサービス充実への努力は怠らない。
[時事通信社]
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