木星の衛星「エウロパ」 (3/13)

木星(画像右奥)の衛星エウロパの表面から水蒸気が噴出する想像図。ハッブル宇宙望遠鏡の観測によると、氷の下の海から水蒸気が噴出している可能性がある〔NASAなど提供〕【時事通信社】 米航空宇宙局(NASA)は2016年9月27日、木星の衛星エウロパの表面をハッブル宇宙望遠鏡で観測したところ、水蒸気の可能性がある噴出が見つかったと発表した。エウロパは月よりやや小さく、表面は氷で覆われているが、その下には海があり、生命が存在するかもしれないと考えられている。 海の水が氷の割れ目から噴出している場合、将来は探査機を近くまで飛行させて確認できる可能性がある。米国の宇宙望遠鏡科学研究所などのチームが過去1年3カ月間に10回、ハッブル宇宙望遠鏡でエウロパが木星の手前を通過するのを観測した際、水蒸気のような噴出が3回見つかった。米サウスウエスト研究所などのチームも2012年に同望遠鏡で水蒸気のような噴出を観測しており、その際の噴出の高さは約160キロだったが、今回は約200キロだった。 太陽系では、土星の衛星エンケラドスにも氷の下の海に生命が存在する可能性があるとみられ、欧米の探査機カッシーニが海から噴出した氷の微粒子や水蒸気を観測している。

木星の衛星「エウロパ」