2019.10.07 スポーツ

【男子テニス】ノバク・ジョコビッチ (24/243)

全仏オープンの男子シングルス準決勝で激闘を演じた後、健闘をたたえ合うノバク・ジョコビッチ(左)とラファエル・ナダル=パリ(0000年0月日) 【AFP時事】 ジョコビッチは最後にナダルのショットがサイドラインを割るのを確認すると、両手を広げて大歓声に応えた。過去の戦績は29勝28敗とほぼ互角だったが、クレーコートの全仏では1勝7敗と苦しんでいた。「自分にとってはローランギャロス(全仏)で間違いなく最高の試合。競技人生でもトップ3に入る」と感情を高ぶらせた。 立ち上がりはチャンスを生かせず、第1セットは一時0―5に。ストレートで敗れた昨年決勝の二の舞いを演じるかと思われたが、第2セット以降は緊迫した場面でコースを突くショットを次々と決め、難攻不落の王者を倒した。 「全仏で彼と戦う時は、いつも勝つためにはエベレストに登らなければいけないような気持ちになる」とジョコビッチ。「この勝利を楽しみたい」と余韻に浸った。 ナダルはいつものように強烈なスピンをかけた左フォアハンドの強打でジョコビッチを押し、第1セットを先取した。だが、徐々に対応され、第2セット以降はハイレベルなラリー戦の中で重要なポイントを逃し続けた。 特に悔やまれたのが第3セットのタイブレーク。ダブルフォールトやボレーのミスを犯した隙を、相手は逃してくれなかった。背水の第4セットは先手を奪いながらミスを重ね、第3ゲームから6ゲームを連取された。 午後7時すぎに始まった試合。夜が深まるにつれて気温が下がると、ボールは弾みにくくなる。これでショットの威力が落ちたナダルは、「相手にとってより好ましい環境だった。でも、それがテニス。彼が勝利に値する」と潔く負けを認めた。 2005年に全仏を初制覇し、史上最多13度の優勝を誇る「赤土の王者」。準決勝前の戦績は通算105勝2敗で、勝率98%。ただ、最後に負けた15年準々決勝の相手も宿敵ジョコビッチだった。全仏で同じ相手に2敗目を喫するのは初めて。「最高の日にはならなかった」とつぶやいた。