豪森林火災 (18/29)

オーストラリア東部ニューサウスウェールズ州で森林火災の消火作業に当たる消防当局者=2019年11月16日【EPA時事】 オーストラリア東部ニューサウスウェールズ州が大規模森林火災を受け、非常事態を宣言してから18日で1週間が経過した。非常事態の期間は終わったが、例年を上回るペースで広がる火災はなお終息していない。 州消防当局などによると、9月に今年度の森林火災のシーズンが始まってから焼失した森林の面積は約165万ヘクタールと東京都の7倍を超え、過去3年分の被害を上回った。火災の犠牲者は6人に達し、約500戸の住宅が失われた。 同州では地元の消防士では足りず、他の州や隣国ニュージーランドの支援も得て対処した。 豪東部では干ばつが続き、高温と強風が重なれば火災が広がりやすい状況にある。ベレジクリアン州首相は18日の記者会見で19、21両日の天候に懸念があるとして、住民に対して「すべての警報に引き続き注意を払うよう」求めた。 火災が起きる条件がそろいやすい南半球の夏に向けて被害の拡大も懸念されている。豪モナシュ大学のポール・リード上級講師は、現場から離れていても火災で汚染された空気を吸うことで「人間や動物の健康にも影響を与える」と警告した。