「戦争忘れられてきている」 高齢化に危機感、語り部育成も―遺族代表の安斎満さん・終戦記念日
全国戦没者追悼式で遺族代表として追悼の辞を述べた安斎満さん(86)=福島市=は、5歳の時に父が戦病死した。遺族の高齢化で戦時中を知る人が減る中、「戦争が忘れ去られてきている」と危機感を募らせる。日本遺族会の常務理事として、語り部の育成に力を入れている。
父与一さんは、満さんが5歳だった1943年6月に出征。同年11月、中国でマラリアにかかり、病院に移送中に亡くなった。
残された家族は過酷な現実に直面した。安斎さんは戦後、「戦没者の子」として敗戦の責任を問う厳しい目が向けられたことを覚えている。「兵隊さんは神様から悪者になってしまった。(その子どもとして)少し身を縮めて生きていた部分もあった」と振り返る。就職でも差別を受け「つらい思いをした」と話す。
戦後80年を前に、戦中と戦後を生き、厳しかった時代と平和な時代を比べられる人が「一握り」に減っていると懸念する。遺族会のメンバーも多くが80歳以上。「遺族の思いを伝えていかなければならない」との思いから、孫世代の語り部の育成に取り組んでいる。「遺族会としての形を少しでも残せるよう努力している」と力を込める。
「『国が面倒を見る』と命を預かった責任がある。その責任を果たしてほしい」。遺族が減っても追悼式を続けてほしいと強く願う。15日の追悼の辞では、ロシアのウクライナ侵攻にも思いを重ね「戦争の悲劇から平和を守っていこうではないか。平和を維持してほしい」との願いを込めて読み上げた。(2024/08/16-07:05)
Bereaved Son Concerned about Fading War Memories in Japan
An 86-year-old man whose father died in World War II worries that, with few survivors left, the conflict is becoming a thing of the past in Japan.
Representing bereaved families, Mitsuru Anzai of Fukushima Prefecture delivered a speech at Thursday's government-sponsored memorial ceremony held in Tokyo to mark the 79th anniversary of the country's surrender in the war.
As a senior official of Nippon Izokukai, a group of bereaved relatives of those who died in the war, Anzai puts his energy into nurturing storytellers.
His father, Yoichi, was sent off to serve his country in June 1943, when Anzai was 5 years old. Just five months later, Yoichi caught malaria in China and died while being transported to hospital.
A tough reality awaited Yoichi's family.
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