地震で建設中のビル倒壊、中国企業に疑惑の目 タイ
【バンコクAFP=時事】3月28日、ミャンマーを震源とするマグニチュード(M)7.7の大地震が発生し、タイの首都バンコクで建設中だった高層ビルが倒壊した。このビルは、倒壊した唯一の主要建築物であり、施工を担当していた中国の建設会社に対して疑惑の目が向けられている。≪写真は、建設中のビル倒壊現場で行われる、がれきの中に閉じ込められた人々の捜索活動。タイの首都バンコクで≫
倒壊したビルは30階建てで、政府庁舎として利用される予定だった。しかし、タイとミャンマーで2000人以上の死者を出したこの大地震の揺れにより、ビルは数秒で瓦礫の山と化し、少なくとも13人が死亡、9人が負傷した。
タイ国内ではこれまでに20人の犠牲者が確認されており、この建設現場での死者数が最多となっている。さらに、現在も約70人が瓦礫の下に閉じ込められているとみられるが、生存の可能性は低くなりつつある。
バンコクには無数の高層ビルが立ち並んでいるものの、他に大きな被害は報告されていない。このため、建設中のビルがなぜ倒壊したのかについて、多くの疑問の声が上がっている。
ペートンタン・シナワット首相は3月29日、記者団に対し「どこでミスが起きたのかを調査する必要がある」と述べ、現場の資材と安全基準の徹底的な調査を命じた。
「設計段階で何が起こっていたのか。この設計がどのように承認されたのか。タイで初めての建物ではないのだから」とも語った。
このビルの建設は、人気のチャトゥチャック市場の近くで進められており、中国の建設大手「中国中鉄(CREC)」の子会社「中鉄十局」と、タイの大手建設会社「イタリアンタイ・デベロップメント」が共同で手掛けていた。
タイの安全当局者は3月31日、現場の鉄筋を検査したところ、一部が基準を満たしていないことが判明したと発表した。
エーカナット・プロムパン工業相は、鉄筋の供給業者1社が昨年12月の安全テストに合格せず、許可取り消しの可能性があるとして調査委員会を設置すると発表した。ただし、供給業者の名前は明らかにされていない。
■ 安全に関する苦情
イタリアンタイ・デベロップメントは3月31日、地震の犠牲者に哀悼の意を表する一方で、「この事故が他のプロジェクトに影響を及ぼすことはないと確信している」と述べた。
中国国営のCRECのウェブサイトによると、同社は90以上の国と地域で事業を展開している。
CRECとその子会社が死亡事故を巡って非難されるのは、今回が初めてではない。
昨年11月、セルビアでCRECの子会社が建設した鉄道駅の屋根が崩落し、14人が死亡。この事故では手抜き工事疑惑が浮上し、市民の怒りは当局に向けられた。
出稼ぎ労働者の権利を擁護するロイサイ・ウォンスバン氏は、タイで中国企業に雇用されている労働者からは、安全基準の甘さや労働者の権利侵害について多くの苦情が寄せられていると指摘する。
同氏は「中国企業に関しては、人権に関するデューデリジェンス(詳細な調査)が適切に行われているか確認できない」とし、「雇用主と労働者の間には常に力の不均衡がある」と述べた。
■ 証拠隠滅の疑いも
AFP通信は、中鉄十局とCRECにコメントを求めたが、回答は得られなかった。
また、中鉄十局は通信アプリ「微信(ウィーチャット)」の公式アカウントに投稿していた、倒壊したビルの主要構造物の完成を祝う発表を、地震後まもなく削除した。
AFP通信は、地震発生直後、この投稿が削除される前にアーカイブした。
さらに、現地メディアは3月29日、ビル崩壊現場から書類を回収しようとしていた中国人4人が拘束されたと報じている。【翻訳編集AFPBBNews】
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