2019.11.18 スポーツ

【大相撲】珍しい決まり手 (46/127)

足取り 大相撲名古屋場所5日目・宇良(左)は栃ノ心を足取りで破る=2017年7月13日、愛知県体育館【時事通信社】 小さな業師が館内を連日沸かせている。東前頭4枚目まで番付を上げた宇良が、この日も鋭い勝負勘を見せた。 頭を下げて潜り込もうとするが、顔面を何発も突かれて徳俵に後退。しかし、距離が開いた次の瞬間、栃ノ心が右足を前に出したところを逃さなかった。「うまく入れてよかった」。素早く右膝にしがみつき、足取りで土俵外へ追いやった。 関学大時代から居反りなどの珍手で注目されたが、プロ入り後は考えを変えた。「作戦を練ってやっていくより、自分の力で攻め切れる相撲を取りたい」。簡単に力負けしないようにと力を磨き続けている。 174センチ、137キロの小さな体でレスリング仕込みの相撲。八角理事長(元横綱北勝海)は過去の小兵力士を思い浮かべても「記憶にない」と言い、「勝負度胸もある」と高く評価。「慣れてしまえばいいけれど、稽古場でもやっていないだろうから」と取りづらさを想像した。 鶴竜と遠藤が休場したため、横綱とも対戦する可能性が出てきた。「経験を重ねながらやっていきたい」。上位戦でも土俵に彩りを添えるか。