2022.02.01 スポーツ

【男子テニス】ラファエル・ナダル (3/66)

全豪オープンの男子シングルスで優勝し、トロフィーを手に喜ぶラファエル・ナダル=2022年1月30日、オーストラリア・メルボルン【AFP時事】 試合が終わった時には既に日付は変わっていた。5時間を超える激闘を制したナダルは、喜びのあまり両手で顔を覆った。先に2セットを奪われてからの逆転勝ちで、男子最多の四大大会21勝目。不屈の闘志で実現し、「私のキャリアの中でも忘れられない一戦になった」と感極まった。 守備にたけた選手同士の顔合わせは、予想通りのストローク合戦となった。序盤はサーブの精度に差が出てナダルが劣勢。第2セットもタイブレークの末に落とし、窮地に陥った。だがここからの粘り強さこそが真骨頂だった。 互いに運動量が落ちる中で、より高い質を保ったのはナダル。ラリーでしっかり左右に走らせて好機をつくり、強打を次々に決めていった。3セット連取。驚異の巻き返しだった。 全盛期のナダルは無尽蔵の体力でどんな相手も押し切ってきた。だが35歳ともなり、最近は効率的にポイントを奪う戦い方も取り入れている。この日は普段見せないサーブアンドボレーや、ドロップショットを織り交ぜた縦の揺さぶりも駆使。メドベージェフのリズムを狂わせていった。 「歴史をつくることは難しい」と言う。ただ、新記録を打ち立てたその強さが健在であることは、疑いようがない。