【女子カーリング】韓国の「メガネ先輩」金恩貞
北京五輪最終予選の日本戦でストーンを投じる韓国の金恩貞(奥)=2021年12月17日、オランダ・レーワルデン【AFP時事】 2018年の平昌五輪。カーリング女子の韓国代表「チーム・キム」は準決勝で激闘の末に日本代表を下し、アジア勢初の銀メダルを獲得した。当時のメンバーが4年の時を経て、再び「ロコ・ソラーレ」の前に立ちはだかろうとしている。 チームの中心はスキップの金恩貞。日本の人気漫画「スラムダンク」の登場人物にちなんだ「メガネ先輩」の愛称とともに話題となった。自国開催の大会で歴史的な結果を残したが、その後の歩みは平たんではなかった。 チーム・キムは18年秋、指導者から不当な扱いを受けていると告発。後に暴言や獲得賞金の横領があったことを認められたが、一時は練習もままならず、韓国代表の座を別のチームに明け渡した。再び勝ち取ったのは20年11月。昨春の女子世界選手権は約3年ぶりの大舞台だった。 金恩貞自身の環境も大きく変わった。結婚と出産を経て競技に復帰。韓国メディアによると「海外には『ママ選手』が多い。私も良い成績を残しながら育児も頑張りたい。カーリングだけでなく、すべての女性アスリートに子どもを産んでも運動ができるということを見せたい」と意欲を示す。昨年12月の五輪最終予選では日本に2度敗れたが、その実力に疑いはない。苦しい経験を糧に成長した姿で再び、白熱した戦いを繰り広げるだろう。