パリで輝く、日本の物作り セーリング470級のセール
パリ五輪で新たに採用されるセーリング混合470級は、岡田奎樹(トヨタ自動車東日本)、吉岡美帆(ベネッセ)組がこの競技で日本勢初の金メダルを狙う。同級のセール(帆)で世界トップのシェアを誇るのが、横浜市に本社を置く「ノースセール・ジャパン」だ。
湾岸沿いのビルで、計30人ほどの職人が分業で製作する。最も大きいメインセールは大判のシートを17枚ほどの短冊形に切断し、ミシンで縫い合わせる。ほとんどは手作業だが、担当者は「ミリメートルより小さい単位の正確さでつなぎ合わせることができる。これが日本の物作り」と胸を張る。
海外製だとセールごとの性能に差があり、新調した際に時間をかけて癖をつかむ必要が出る。一方の同社製は均一性に優れ、2000年シドニー五輪前後から国外でも人気が高まってきた。国際大会では規定通りのセールが使われているか主催者が計測するが、同社製は特別に免除されるほど信頼は厚い。
鹿取正信社長によると、パリ五輪に出場する19艇のうち15艇が同社のセール。「うちのロゴを付けたチームに勝ってもらいたいし、当然ながら日本チームに期待している」と楽しみな様子だ。
岡田、吉岡組は世界に先駆けてセールの形状を変え、昨年の世界選手権で優勝するなど好成績を挙げている。道具の性能や調整が勝負を分ける競技。詳細は秘密というが今年も微調整を加えており、ジュニア時代から岡田を知る鹿取氏は「パリでいい成績を出してもらいたい」と願っている。(2024/07/16-13:35)
Japanese Craftsmanship to Play Vital Role in Dinghy Sailing in Paris
Japanese craftsmanship plays an important role in the sport of dinghy sailing.
North Sails Japan Inc., a sailmaker based in Yokohama, Kanagawa Prefecture, south of Tokyo, dominates the world market for sails for 470-class dinghies.
At the company, about 30 craftspeople manufacture sails. Large sheets of canvas are cut into around 17 strips, which are then sewn together with sewing machines.
"We can piece the strips together with precision of less than a millimeter by hand. This is Japanese craftsmanship," a North Sails Japan official said.
As sails made overseas tend to differ in their performance by product, it takes time for sailors to grasp the characteristics of each sail when they adopt a new one. On the contrary, those made by North Sails Japan have uniform features--something that has made them popular since around the 2000 Sydney Olympics.
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