騒音、パチンコ店超えの地域も　反対住民「耐えがたい」―羽田新ルート

　羽田空港国際線増便のため、旅客機が東京都心などを低空で飛行する新ルート下の騒音測定結果が出そろった。国土交通省が公表したデータでは、川崎市で一時パチンコ店内を超える騒音を記録したほか、都心の一部でも比較的大きな値を確認。新ルートに反対する住民からは「耐えがたい」と中止を求める声が出ている。
　１月３０日から２月１２日まで行われた確認飛行による騒音測定値では、南風が吹いた際に同空港を離陸した旅客機が飛行する川崎市で最大８７～９４デシベルを記録。測定した東京、神奈川、埼玉の３都県１９カ所中、最も騒音が激しかった。国交省の担当者は「出発直後に川崎市の上空を通るため、これぐらいのレベルになると認識していた」と想定内の結果だったと話す。
　また、川崎市に隣接する東京都大田区の小学校でも最大騒音が７６～８５デシベルとなり、ゲームセンター店内程度の騒がしさであることが明らかになった。
　南風が吹いた際、着陸のため都心を北から南に低空飛行するルートでは、港区の小学校や品川区の都下水道事務所でそれぞれ同７８～８１デシベルと比較的高い値が出た。昼間の主要幹線道路周辺の騒音に当たる７０デシベル超は、新宿、渋谷、豊島、中野、目黒、練馬各区や埼玉県川口市などでも軒並み計測された。
　国交省は測定結果について「影響を引き続き分析する」としながらも、３月２９日の運用開始予定は変えない方針だ。
　新ルートに反対する地元住民らのグループ「羽田問題解決プロジェクト」の大村究代表は「国交省は想定通りかもしれないが、われわれにとっては耐えがたいレベル。機体の威圧感もすさまじい」と訴えている。（2020/02/17-07:12）

With relatively high levels of noise expected to be caused in and around Tokyo by low-altitude flights using Tokyo International Airport at Haneda, local residents are calling for scrapping the plan.
   In test flights conducted by the transport ministry between Jan. 30 and Wednesday, noise in Kawasaki in Kanagawa Prefecture, south of Tokyo, over which aircraft will fly right after departing the airport when a south wind blows, hit as high as 87 to 94 decibels, louder than inside pachinko pinball parlors, according to data released by the ministry.
   The reading was the highest among those posted at 19 test locations in Tokyo and Kanagawa and Saitama prefectures.
   A ministry official said the reading was within their expectations considering the location of the city.
   The maximum noise level at an elementary school in Tokyo's Ota Ward, adjacent to Kawasaki, reached 76 to 85 decibels, equivalent to levels in gaming arcades, the data showed.