赤ちゃんポスト、「課題は山積み」=匿名性と出自知る権利巡り―慈恵病院の蓮田院長

東京都墨田区の賛育会病院で始まった「赤ちゃんポスト」と「内密出産」。親の匿名性確保と、子どもが自らの出自を知る権利の両立が課題となっており、国内で初めて取り組みを開始した慈恵病院(熊本市西区)の蓮田健院長は「行政とも連携して検討を重ねてきたが、課題は山積みだ」と頭を悩ませている。
赤ちゃんポストの運用状況を検証した熊本市の専門部会は2024年6月、「最後まで(母親の)匿名を貫くことは容認できない」とした報告書をまとめた。これに対し蓮田院長は「匿名性と引き換えに母子の安全を守っている」と反発。公開質問状を提出し、同年10月末、部会長が記者会見で、数年後にまとめられる次の報告書で表現を改める方針を表明した。
子の出自を知る権利の保障については、慈恵病院と市が共同で設置した検討会が3月21日、父母の身元情報は「(父母の)同意なく開示しない」とする報告書を公表。開示請求が可能となる子どもの年齢を「18歳が適切」とした。ただ蓮田院長は、「妊娠の経緯」などの開示について子の知る権利が制限されたままで不満の残る内容とし、匿名性と知る権利の両立の難しさを吐露した。
賛育会病院での運用開始が明らかになった31日、蓮田院長は熊本市内で記者会見。賛育会病院とは詳細な情報共有はしていないといい、親の身元判明につながる調査について「母親の同意の範囲内にすべきだ」と訴えた。
また、東京では赤ちゃんポストや内密出産の件数増加が予想されると指摘。「批判が増える可能性もある」と懸念し、運営体制の透明化を求めた。
[時事通信社]
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