フォアグラの「倫理的」代替品を開発 ドイツ研究チーム
【ワシントンAFP=時事】ガチョウやアヒルの肝臓を肥大化させて作るフォアグラは、濃厚でバターのような風味で知られるフランスの高級食材。しかし、その製造過程では強制的な給餌が行われるため、一部の国では動物福祉の観点から禁止されている。こうした背景を受け、ドイツを中心とする研究チームが、強制給餌なしでフォアグラ本来の味と食感を再現した「より倫理的な」代替品を開発したと発表した。≪写真は資料写真≫
この研究は、独マックスプランク高分子研究所のトーマス・ビルギス教授(食品科学)らによって行われ、25日付の米科学誌「Physics of Fluids(流体物理学)」に掲載された。
ビルギス教授らは、人工添加物を一切使用しない製法にこだわった。当初は鳥の皮や骨から抽出したコラーゲンと肝臓を組み合わせる方法を試みたが、フォアグラ特有のシルクのように滑らかな食感を完全に再現することはできなかった。
そこで鍵となったのが、動物の体内で脂肪を分解する酵素「リパーゼ」だった。リパーゼで処理した脂肪を肝臓と混合し、減菌するというシンプルな工程を用いることで、フォアグラに近い代替品を作ることに成功した。
レーザー顕微鏡による分析では、エマルジョン構造や脂肪滴の大きさ・形状が本物のフォアグラと非常に類似していることが確認された。香りについても、研究チームは「合格点」と評価している。
さらに、食感を測定するために産業用圧縮装置を使用し、サンプルに緩やかな圧力を加えて硬さを計測した。その結果、開発された代替品はフォアグラと極めて近い口当たりを持つことが判明した。
ビルギス教授は、この製法の特許を申請中であり、企業との提携を通じて「倫理的フォアグラ」を市場に投入することを目指している。【翻訳編集AFPBBNews】
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