高安、あと一歩は遠く=悲願へ「また来場所」―大相撲春場所

またも「あと一歩」で涙をのんだ高安。支度部屋への通路に設置されたモニターの前に立ち止まり、じっと優勝決定戦の映像を見返す姿は、土俵に大きな心残りがあるように見えた。
本割では阿炎の変化に惑わされず、執念の上手出し投げ。若隆景に屈した2022年の春場所、ともえ戦で敗退した同年の九州場所に続く自身3度目の決定戦に臨んだが、悲願の賜杯は遠かった。
10日目には快勝した大の里に対し、左を差し勝ったものの力負け。「悔いがないと言ったらうそになるが、出し切った」。自らに言い聞かせるように言葉を紡いだ。
結末こそ、望んだものにはならなかった。それでも、力強い相撲で白星を積み重ねた15日間は、腰痛などのけがに何度も苦しんできた35歳のベテランに自信をよみがえらせたはずだ。「また頑張る。来場所も優勝を目指したい」と力を込めた。
[時事通信社]
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