日中、戦略的互恵を推進=岩屋氏、台湾情勢に懸念―外相会談
岩屋毅外相は22日、中国の王毅共産党政治局員兼外相と東京都内のホテルで会談した。戦略的互恵関係の推進に向け、懸案を解決し、連携を強化していくことで一致。岩屋氏は、台湾海峡や東シナ海での中国軍の覇権主義的な行動に懸念を示した。
両氏の会談は昨年12月に中国・北京で行って以来。冒頭、岩屋氏は「課題や懸案の解消も含めて率直に議論できる関係の構築が重要だ」と強調。王氏は「中日双方が歴史を直視し、疑念を払拭し、関係の改善と発展を前向きに推進することが重要だ」と語った。
岩屋氏は、台湾海峡について「軍事情勢を含む動向を注視している」と述べ、力や威圧による一方的な現状変更の試みに反対を表明した。王氏は、自衛隊制服組トップの統合幕僚長を務めた岩崎茂氏を、台湾行政院(内閣)が政務顧問に任命したことを提起。岩屋氏は「政府として関与したものではない」と説明した。
沖縄県・尖閣諸島を含む東シナ海情勢も取り上げ、中国軍の活動が活発化していることに懸念を伝えた。中国公船による尖閣諸島沖の領海侵入に抗議。同県・与那国島南方の日本の排他的経済水域(EEZ)内に中国が設置したブイの即時撤去も求めた。
岩屋氏は、アステラス製薬の男性社員らスパイ容疑で拘束されている邦人の早期解放を要求。日中双方がハイレベル往来に向けて取り組む必要性を強調した。
両氏は、日中安全保障対話の早期開催を確認。核・ミサイルや拉致の問題を含む北朝鮮への対応を巡っても意見を交わした。
◇日中外相会談ポイント
一、戦略的互恵関係を推進
一、岩屋氏、台湾海峡の軍事動向を注視
一、王氏、元統幕長の台湾顧問任命を提起
一、岩屋氏、東シナ海情勢に懸念
一、岩屋氏、拘束邦人の解放要求
一、日中安保対話の早期開催を確認
[時事通信社]
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