ガザの死者5万人超える=イスラエルが全域攻撃、人質奪還へ強硬―レバノンにも報復

【エルサレム時事】イスラエル軍は、22日夜から23日にかけてもパレスチナ自治区ガザ全域への攻撃を実施し、中東の衛星テレビ局アルジャジーラによると少なくとも35人が死亡した。民間人に犠牲者が出ているもようだ。ガザ保健当局によると、今月18日の大規模作戦開始以降の死者は673人となった。また、イスラエルが軍事作戦を開始した2023年10月以降のガザでの死者は5万人を超えた。
イスラム組織ハマスなどガザの武装勢力は、23年10月の奇襲攻撃でイスラエル領内から連れ去った人質のうち、約60人を現在も拘束している。イスラエルは人質奪還に向けて圧力を強めており、政府内では、ハマスが人質解放を拒めば「イスラエルがガザの一部を併合する」(カッツ国防相)といった強硬論が勢いを増している。
アルジャジーラなどによれば、ガザ南部ハンユニスへの空爆ではイスラム組織ハマスの政治部門幹部が殺害された。最南部ラファでも激しい攻撃があった。北部ベイトハヌーンでは、新たな地上作戦が始まった。
また、イスラエルのネタニヤフ政権は22日の治安閣議で、ガザ住民の「自発的」移住を調整する新たな組織を国防省内に設置することを承認した。
イスラエルは、トランプ米大統領が先に復興構想の中で表明したガザ住民の域外移住を後押しする姿勢だが、移住先として想定される隣国のエジプト、ヨルダンを含むアラブ諸国は「追放、民族浄化につながる」として反発している。
一方、イスラエル軍は22日にイスラエル北部にロケット弾が撃ち込まれたことへの報復として、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの拠点を空爆し、司令部やロケット弾発射装置、武器庫などを空爆したと発表した。7人が死亡したとみられる。
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