2024-07-26 22:19

「海自逮捕」防衛相報告資料に記載=次官に口頭で説明―不正受給

 防衛省は26日、海上自衛隊の「潜水手当」不正受給を巡る隊員の逮捕が木原稔防衛相に報告されなかった経緯に関する調査結果を発表した。人事教育局長(当時)が5日に木原氏に隊員らの懲戒処分を報告した際の説明資料に、逮捕については注釈で記載されていたと明らかにした。口頭での説明はなかったという。
 防衛省は12日に不正受給などに関する懲戒処分を発表。ただ、昨年11月に4人が警務隊に逮捕されていたことは公表しなかった。木原氏は今月19日の記者会見で、逮捕については18日深夜に秘書官から報告を受けたと説明していた。
 一方、同局の担当者は、増田和夫事務次官には3日に処分に関して報告し、逮捕については口頭でも説明していた。同省は、木原氏への報告に短い時間しか取れず「情報の取捨を誤った」としている。 
 警務隊による逮捕を巡る省内規則は、隊員については所属部隊長に通報することのみ規定している。防衛省は「シビリアン・コントロール(文民統制)の観点から適切ではない」とし、今後は防衛相に報告が上がるように改善するとした。
 また、懲戒処分に関する規則は、全処分の防衛相への事前報告を定めているが、人事教育局は今回、処分時点で報告していなかったことも判明した。
 岸田文雄首相は26日、首相官邸で木原氏と面会し、「正すべきものを根本から正して再発防止に努めてもらいたい」と指示した。
[時事通信社]

最新動画

最新ニュース

写真特集