杉浦、体現した積極レース=力尽くした53歳―自転車〔パラリンピック〕
自転車女子個人ロードレース(運動機能障害C1~3)で連覇を果たし、自身の持つ日本選手の最年長金メダル記録を更新した。53歳の杉浦は大会前に掲げていた「積極的な走り」を大舞台で体現してみせた。
意識したのは、コーナーの出口で誰よりも早く加速し、先頭集団を先導すること。「後ろの選手たちに追い掛けさせて力を温存させないように」。愚直に繰り返してライバルを少しずつ消耗させ、最後の上り坂で数人を引き付けてからスパート。余力を残してゴール前のスプリント勝負に持ち込み、小差で逃げ切った。
勝ったことを知ると驚いた様子を見せ、すぐに涙が込み上げた。「よかった。みんな喜んでくれるかな」。お世話になった人たちを頭に思い浮かべる。結果で恩返しできたことに安堵(あんど)した。
3年前の東京大会よりも苦しんだ。力を入れてきたトラックの2種目は体調不良が響いて予選敗退。「この調子では絶対にメダルは取れない」と精神的に落ち込んだ。周囲のサポートもあって気持ちを立て直したものの、大会を終え、心身共に疲れ果てた。「こんなに苦しい思いはもう(したくない)」。4年後への挑戦には消極的だ。
今後は未定。国内大会で活動しながら選手育成に関わることも考えている。「若い選手の目標にしてもらえたらうれしい」。背中を追う後輩が多く現れることを願った。 (時事)
[時事通信社]
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