宇宙の神秘 コズミックフォト (2/217)

月の縦穴に続く地下空洞の想像図(NASA、イタリア・トレント大提供)【時事通信社】 米国とイタリアの共同研究チームは16日までに、月の「静かの海」にある縦穴につながる巨大な地下空洞があることを米探査機ルナー・リコネサンス・オービター(LRO)のレーダー観測から確認したと、英科学誌ネイチャー・アストロノミーに発表した。隕石(いんせき)や放射線などから宇宙飛行士を守れる地下空洞は将来の月面基地候補として有望で、日本も探査計画を検討している。 月の地下空洞は、富士山麓などにある溶岩トンネルと同様に、流れ出た溶岩が月面で先に冷え固まった後、トンネル状の空洞が地下に残されて形成。その後、地表面が崩落するなどして縦穴ができたと考えられている。 2009年に日本の探査機「かぐや」が発見して以降、200カ所以上の縦穴が確認され、17年には宇宙航空研究開発機構(JAXA)などがかぐやのデータから、静かの海とは別の縦穴で地下空洞を確認している。(2024年07月16日)