2019.10.04 11:43World eye
地下水くみ上げ、河川系に破滅的影響の恐れ 研究
【パリAFP=時事】地下水の過剰採取が、2050年までに世界の流域の50%にあたる河川、湖、湿地帯に「重大な影響」を及ぼすと警告する研究論文が2日、英科学誌ネイチャーで発表された。(写真は資料写真)
食糧生産に欠かせない地下水は地中の土や砂、岩の隙間に存在し、地球上で最も大規模に利用できる淡水源となっている。現在、20億人以上が、飲料水やかんがい用水を地下水に依存している。だが、地下水の資源量は、世界的な人口爆発とそれに伴う穀物生産量の増加を受け、すでに圧迫されている。
国際共同研究チームは、既存の地下水が世界各地の河川、湖、湿地に流れ込む速度を調査し、流出と呼ばれるこのプロセスに農業用水のくみ上げがどのような影響を及ぼしているか調べた。この結果、世界の流域の約20%で、既に地下水採取量が流出量を上回っていることが明らかになった。
また、気候変動モデルを用いて今後どのくらい流出量が減少するかを予測したところ、2050年までに世界の地下水採取地域の42~79%で水界生態系を維持できなくなることも判明した。
論文主筆者である独フライブルク大学のインゲ・デグラーフ氏(環境水文システム)によると、これは破滅的な影響をもたらす可能性があるという。
デグラーフ氏はAFPの取材に、「流れに水がなければ魚や植物が死ぬのは明らかだ」と話し、かんがい栽培されている作物の約半数が地下水に依存しており、大きな損失となると指摘した。
論文によると、メキシコやガンジス川、インダス川の流域など作物生産を地下水に大きく依存している地域は、過剰採取により既に河川流量の減少が発生しているという。
地下水需要の増加に伴いアフリカや南欧も、今後数十年以内に水界生態学的限界に達すると研究チームは予測している。
英国の研究者らは今年、地下水の補充には長い年月を要するため、未来の世代は「環境の時限爆弾」に直面するとの研究結果を発表していた。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2019/10/04-11:43)
食糧生産に欠かせない地下水は地中の土や砂、岩の隙間に存在し、地球上で最も大規模に利用できる淡水源となっている。現在、20億人以上が、飲料水やかんがい用水を地下水に依存している。だが、地下水の資源量は、世界的な人口爆発とそれに伴う穀物生産量の増加を受け、すでに圧迫されている。
国際共同研究チームは、既存の地下水が世界各地の河川、湖、湿地に流れ込む速度を調査し、流出と呼ばれるこのプロセスに農業用水のくみ上げがどのような影響を及ぼしているか調べた。この結果、世界の流域の約20%で、既に地下水採取量が流出量を上回っていることが明らかになった。
また、気候変動モデルを用いて今後どのくらい流出量が減少するかを予測したところ、2050年までに世界の地下水採取地域の42~79%で水界生態系を維持できなくなることも判明した。
論文主筆者である独フライブルク大学のインゲ・デグラーフ氏(環境水文システム)によると、これは破滅的な影響をもたらす可能性があるという。
デグラーフ氏はAFPの取材に、「流れに水がなければ魚や植物が死ぬのは明らかだ」と話し、かんがい栽培されている作物の約半数が地下水に依存しており、大きな損失となると指摘した。
論文によると、メキシコやガンジス川、インダス川の流域など作物生産を地下水に大きく依存している地域は、過剰採取により既に河川流量の減少が発生しているという。
地下水需要の増加に伴いアフリカや南欧も、今後数十年以内に水界生態学的限界に達すると研究チームは予測している。
英国の研究者らは今年、地下水の補充には長い年月を要するため、未来の世代は「環境の時限爆弾」に直面するとの研究結果を発表していた。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2019/10/04-11:43)
2019.10.04 11:43World eye
Groundwater pumping could 'devastate' river systems
Rampant and unsustainable extraction of groundwater reserves crucial for food production will critically impact rivers, lakes and wetlands in half of Earth's drainage basins by mid-century, researchers warned Wednesday.
Found underground in cracks in soil, sand and rock, groundwater is the largest useable source of freshwater on the planet and more than two billion people rely on it to drink or irrigate crops.
But reserves are already under pressure as the global population explodes and crop production rises in tandem.
An international team of researchers studied the rate at which existing groundwater was feeding into rivers, lakes and wetlands across the planet and how pumping for farming effected that process, known as streamflow.
They found that in around 20 percent of drainage basins the tipping point had already been reached where extraction outpaced streamflow.
They also used climate change models to predict how streamflow will diminish in future and found that between 42 and 79 percent of the world's groundwater sites will be unable to sustain aquatic ecosystems by 2050.
Inge de Graaf, chair of environmental hydrological systems at the University of Freiburg, Germany, said this could have a devastating impact.
It's pretty clear that if there's no water in your stream anymore that your fish and plants are going to die, de Graaf told AFP.
About half of irrigated crops rely on groundwater. That's a lot (to lose).
The study, published in Nature, said regions heavily reliant on groundwater for crop production, including Mexico and the Ganges and Indus basins, were already experiencing declining river and stream flows due to overextraction.
And as the demand for groundwater increases, areas of Africa and southern Europe will also see severe water disruption in the decades to come, the team predicted.
In August the Intergovernmental Panel on Climate Change issued a major assessment on how land can be used to fight global warming, arguing for more sustainable water use in agriculture as the world's population ticks towards 10 billion by 2050.
De Graaf said some farming techniques showed promise in reducing groundwater use, such as parts of the Mekong Delta in southeast Asia, where coconut palms are replacing water-intense rice fields in several pilot projects.
British researchers this year warned that future generations faced a groundwater time bomb as underground systems would take decades to replenish.
最新ニュース
写真特集
-
【野球】慶応大の4番打者・清原正吾
-
【競馬】女性騎手・藤田菜七子
-
日本人メダリスト〔パリパラリンピック〕
-
【近代五種】佐藤大宗〔パリ五輪〕
-
【アーティスティックスイミング】日本代表〔パリ五輪〕
-
【ゴルフ】山下美夢有〔パリ五輪〕
-
閉会式〔パリ五輪〕
-
レスリング〔パリ五輪〕