日本企業供託金、原告が初受領 日立造船の元徴用工訴訟―韓国
【ソウル時事】韓国最高裁で日立造船の敗訴が確定した元徴用工訴訟で、原告側は20日、同社が韓国の裁判所に預けた供託金6000万ウォン(約670万円)全額を同日付で受け取ったと明らかにした。元徴用工訴訟で日本企業の資金が原告に渡ったのは初めて。
日立造船は二審敗訴後の2019年、韓国内の資産の強制執行を防ぐため、裁判所に供託金を預けた。最高裁は昨年12月、原告への5000万ウォンの賠償金と遅延利息の支払いを同社に命じた。勝訴確定を受け、原告側は先月、供託金受領の手続きに入り、ソウル中央地裁に認められた。
日本政府は、1965年の日韓請求権協定で問題は解決済みとの立場。一連の訴訟で、日本企業は賠償金の支払いに応じてこなかった。韓国の尹錫悦政権は昨年3月、政府傘下の財団が賠償金を肩代わりする形で、勝訴が確定した原告に支給する解決策を発表した。
林芳正官房長官は記者会見で「請求権協定に明らかに違反する判決に基づき、日本企業に不当な不利益を負わせるもので、極めて遺憾だ」と述べ、韓国政府に厳重に抗議すると表明した。また、裁判所に供託金を預けていた日本企業は日立造船のみで「特殊」なケースだと指摘した。
韓国政府も、解決策の枠外で発生した特異な事例と位置付け、日韓間での問題拡大を防ぎたい考えだ。韓国外務省報道官は「財団から賠償金を支給するという政府の立場に変化はない」と強調した。
日立造船は「現時点で事実確認ができていないため、コメントは差し控える」と説明した。(2024/02/20-18:43)
S. Korea Plaintiff Takes Japan Firm's Court Deposit
A South Korean plaintiff has received funds deposited to a South Korean court by Japan's Hitachi Zosen Corp. in a wartime labor lawsuit, the plaintiff's side said Tuesday.
It was the first time that a South Korean plaintiff has received funds from a Japanese company in a wartime labor suit.
The development came after a South Korean Supreme Court ruling ordering Hitachi Zosen to pay compensation was finalized in December last year.
The Japanese government takes the position that the issue of wartime labor was settled by the 1965 Japan-South Korea agreement on property and claims.
The Japanese heavy machinery maker deposited 60 million won with a court in 2019 after a high court ruled against the company, in hopes to prevent its assets in South Korea from being forcibly seized.
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