2023.10.18 18:32Nation

昨夏参院選は「合憲」 是正に一定の時間必要―「1票の格差」判決・最高裁大法廷

 「1票の格差」が最大3.03倍だった昨年7月の参院選は違憲だとして、二つの弁護士グループが選挙無効を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・戸倉三郎長官)は18日、「合憲」と判断し、請求を退けた。
 裁判官15人中11人の多数意見。残る4人のうち2人が「違憲状態」とし、1人は「違憲無効」とする反対意見を述べた。1人は多数意見の判断枠組みに異論を述べた上で「合憲」とした。
 昨年の選挙は、鳥取と島根、徳島と高知の選挙区をそれぞれ統合する「合区」が維持された一方、選挙制度の見直しはなく、格差は2019年選挙の3.00倍からわずかに拡大。こうした国会の取り組みをどう評価するかが焦点だった。
 大法廷は「格差是正に向けた具体的な検討が進展しているとも言い難い」と批判。ただ、合区が維持され3倍程度の格差で推移していることは、「有意な拡大傾向にはない」と評価した。
 その上で、合区導入後、対象4県の投票率が低下している点に着目。「都道府県ごとに議員を選出する考え方がなお強く、投票行動に影響を与えている」とし、「広く国民の理解も得る必要があり、成案に達するには一定時間を要することが見込まれる」と結論付けた。
 学者出身の宇賀克也裁判官は反対意見で、「不均衡は許容される範囲を超えており違憲」と指摘。「選挙は無効にせざるを得ないが、是正のための合理的期間を認め、無効の効果は2年後に発生させるべきだ」とした。
 一審の高裁段階では7件が「合憲」、8件が「違憲状態」とされ、仙台高裁は「違憲」と判断した。(2023/10/18-18:32)

2023.10.18 18:32Nation

Japan Top Court Finds 2022 Upper House Poll Constitutional


Japan's Supreme Court on Wednesday found the July 2022 House of Councillors election constitutional in terms of vote-value disparity.
   The top court's Grand Bench issued the ruling, acting on lawsuits filed by two groups of lawyers, who had called for the results of the election for the upper chamber of the Diet, the country's parliament, to be nullified, claiming that the poll violated the Constitution due to wide vote-value gaps.
   In the election, the maximum vote-value disparity stood at 3.03 times.
   Among the high court and high court branch rulings, seven found the election constitutional, while eight said that it was held in a "state of unconstitutionality." Only Sendai High Court ruled the election unconstitutional.

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