2023.01.16 13:33Nation

空飛ぶバイク実用化へ 人命救助も、被災地で活躍期待

 「空飛ぶバイク」の実用化に向けた動きが進んでいる。国内ベンチャー企業が開発したホバーバイクの1号機が2022年12月、顧客の元に届いた。技術や法規制の課題はあるが、被災地での人命救助や物資輸送に役立つと期待されている。
 ホバーバイク「XTURISMO(エックストゥーリスモ)」は、A.L.I.テクノロジーズ(東京)が開発。映画「スターウォーズ」から着想を得た。大小合わせて六つのプロペラで浮上し、地上から約3メートルの高さを飛行する。最高時速は80~100キロ。21年10月から、限定200台を7770万円で予約販売していた。
 このバイクは日本の公道を走行できない。それでも片野大輔社長は「未来の乗り物から現実に近い乗り物というところまで来ている」と語る。
 18年以降、経済産業・国土交通両省による官民協議会が、空の移動に関する技術や制度を議論。先行する「空飛ぶクルマ」では複数のベンチャー企業が開発にしのぎを削る。空飛ぶバイクも加われば、空の移動手段は一段と活気づく。
 同社のホバーバイクは、プロ野球日本ハムの新庄剛志監督が22年3月の開幕セレモニーで使用。エンターテインメント分野からの問い合わせが多いほか、砂漠の多い中東や北米を中心に海外の警察・消防からの引き合いも強いという。
 国内では、海やサーキット、リゾート施設などでの使用に法律で限定されている。将来は機動性を生かし、被災地での人命救助や救援物資輸送への活用を視野に入れる。同社は山梨県と協定を結び、道路が遮断されるような災害時の運用について協議を進めている。車体の小型化に加え、完全電動化などの改良が加速する見通しだ。
 ただ、空飛ぶクルマは航空機として航空法が適用されるのに対し、空飛ぶバイクは分類が定まっていない。東大未来ビジョン研究センターの鈴木真二特任教授(航空工学)は、幅広い普及を疑問視する一方、「価格や維持費が高い防災ヘリコプターの代わりに利用されるのではないか」との見方を示している。(2023/01/16-13:33)

2023.01.16 13:33Nation

Efforts Underway for Practical Use of "Flying Bikes" in Japan


Efforts are in progress in Japan to put into practical use "flying bikes," expected to be used in rescue operations and supplies transportation in disaster-hit areas, while technical and legal challenges remain.
   The first unit of the Xturismo hoverbike, developed by A.L.I. Technologies Inc., a Tokyo-based startup, was delivered in December 2022.
   Inspired by the "Star Wars" movie series, the startup designed the hoverbike to fly at some 3 meters above the ground using six propellers. It flies at speeds of up to around 80 to 100 kilometers per hour.
   In October 2021, the startup began to sell by subscription a limited 200 units of the hoverbike, priced at 77.7 million yen.
   In March 2022, the Xturismo hoverbike attracted attention when Tsuyoshi Shinjo, manager of the Japanese professional baseball team Hokkaido Nippon-Ham Fighters, appeared at a ceremony while riding on it.

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