世界遺産の前で演奏　「Ｇ２０オーケストラ」―日本人２人も参加・インドネシア

　【ジャカルタ時事】１１月に２０カ国・地域首脳会議（Ｇ２０サミット）が開かれるインドネシアでこのほど、男女平等などをテーマに若手音楽家による「Ｇ２０オーケストラ」が結成され、ジャワ島の世界遺産ボロブドゥール遺跡の前で演奏を披露した。幻想的な雰囲気に包まれたステージの上には、日本人２人の姿もあった。
　オーケストラは、インドネシアの作曲家でピアニストでもあるアナンダ・スカルラン氏がディレクターを務め、２０カ国・地域のうちサウジアラビアとトルコを除く１８カ国・地域の演奏家６４人で構成。男性優位というオーケストラの世界に変化をもたらそうと、女性２８人を入れたが「５０％に少し届かなかった」（同氏）という。
　日本からはホルン奏者の古越恵美さん（３３）＝長野県小諸市＝が参加した。ホルンは管が３．５～４メートルと長いため、演奏には肺活量が必要とされ、打楽器と同様、男性が起用されることが多い楽器。今回のテーマからも「思わぬ大役を任された形」だったが、Ｇ２０の文化相らを前に、米国人女性と見事な音色を響かせた。
　「音域が広く、息のコントロールが難しい」というホルンを手に、古越さんは「言葉の壁があったが、最後は音の響きでコミュニケーションを取ることができた」とほほ笑んだ。
　古越さんの昭和音大（川崎市）時代の同級生で、クラリネット奏者の飯塚健太さん（３３）＝埼玉県川越市＝も演奏した。「さまざまな国の人たちと演奏できるめったにない機会を頂き、感謝している。この経験を今後の活動に生かしたい」と話す飯塚さん。帰国のため空港へ向かうバスに乗り込む際には、涙を浮かべながら仲間の奏者たちとの別れを惜しんでいた。（2022/09/17-13:36）

A newly founded orchestra comprising musicians from the Group of 20 advanced and emerging economies recently performed in Indonesia, which will host the G-20 summit in November.
   The orchestra comprises 64 young musicians from 18 countries and regions in the G-20 framework excluding Saudi Arabia and Turkey. It is directed by Indonesian composer and pianist Ananda Sukarlan, and includes two Japanese.
   The "G-20 Orchestra" performed in front of Borobudur Temple, a UNESCO World Heritage site on the island of Java, earlier this month.
   As one of the goals of the orchestra is to promote gender equality in the male-dominated field, it includes 28 women, just shy of half of the members.
   Japanese horn player Emi Furukoshi, 33, is one of the members on the new orchestra. She was picked for what she described as an "unexpectedly large role," as the horn is often played by men due to the significant lung capacity needed to play the wind instrument with a tubing length of 3.5 meters to 4 meters.