事故の記憶「風化させない」　遺族や市民、冥福祈る―明石歩道橋事故２０年・兵庫

　兵庫県明石市の歩道橋で２００１年７月、花火大会の見物客らが転倒し、１１人が犠牲となった事故は２１日、発生から２０年となった。現場の歩道橋には遺族や市民らが訪れ、慰霊碑の前で静かに手を合わせた。
　事故が起きた午後８時４５分ごろ、遺族３人が献花。市民合唱団のメンバー約１５人が追悼曲を歌った。
　三木清さん（５２）は、亡くなった次女優衣菜さん＝当時（８）＝が好きだった自宅の畑のヒマワリを持参し、「また来たで」と呼び掛けた。「ここに来ると悔しかったことなどいっぱい思い出すけど、手を合わせることで事故の風化を防ぐことができれば」と話した。
　次男智仁ちゃん＝同（２）＝を亡くした下村誠治さん（６３）も、年月の経過による風化を懸念。「次の被害者を生まないためにも伝え続けたい。亡くなった子供に顔向けできることをしたい」と前を向いた。
　泉房穂市長は当時、歩道橋の真下に居合わせたという。献花を終え、「こんなことが本当にあるのかという光景だった。遺族に終わりがないように、行政の責任にも終わりはない」と語った。
　市は同日午前、歩道橋で新人職員研修を実施。下村さんの話に約２０人が耳を傾けた。事故後に入庁した職員が今年初めて半数を超え、全職員対象の研修も行った。
　事故は市主催の花火大会で発生。会場とＪＲ朝霧駅を結ぶ歩道橋に多数の見物客が集中して群衆雪崩が起き、子供ら１１人が死亡、２４７人が負傷した。警備を担当した元県警明石署地域官や市幹部ら５人が業務上過失致死罪で有罪となった。（2021/07/21-23:06）

Victims of a fatal crowd crush after a fireworks show in the western Japan city of Akashi were remembered Wednesday, the 20th anniversary of the incident.
   Citizens offered prayers in front of a memorial on a pedestrian overpass, where the incident happened on July 21, 2001, leaving 11 people, including children, dead and 247 people injured.
   Around 8:45 p.m. (11:45 a.m. GMT), when the incident happened 20 years ago, three bereaved family members laid flowers.
   Kiyoshi Miki, 52, who lost his second daughter, Yuina, then 8, said he came to the site in the hope of preventing the incident from being forgotten.
   Akashi Mayor Fusaho Izumi said he was under the overpass when the incident happened. "There is no end to the responsibilities of the administrative authorities," he said.