2021.03.18 18:09Nation

東海第2原発の運転差し止め 「防災体制、極めて不十分」―水戸地裁

 日本原子力発電(茨城県東海村、停止中)の周辺住民ら224人が原電を相手取り、運転差し止めを求めた訴訟の判決が18日、水戸地裁であった。前田英子裁判長は避難計画の不備などを認めた上で、「防災体制は極めて不十分で安全性に欠ける」として運転差し止めを命じた。原電側は控訴する方針。
 は首都圏にある唯一の原発。2018年に原子力規制委員会の安全審査に合格したが、再稼働に向けて周辺自治体の了解が得られておらず、先行きは不透明となった。
 前田裁判長はまず、原発の30キロ圏内の住民は約94万人に上ることから、事故時は渋滞が発生し、短時間の避難は困難になると指摘。集中を避けるため合理的な避難経路の確立と周知が必要とした。
 その上で、30キロ圏内にある14市町村のうち、避難計画を策定している自治体は「対象人口の少ない5自治体にとどまる」と言及。策定済みの計画についても「自然災害を想定した複数の避難経路の設定はされていない」などと不備を挙げ、「段階的避難などの防護措置が実現可能な避難計画や実行し得る体制が整えられているというには程遠い状態だ」と結論付けた。
 一方、原発の耐震性などは「安全性に欠けるところがあるとは認められない」と述べ、規制委の判断も「看過し難い過誤、欠落があるとまでは認められない」とした。
 東海第2原発をめぐっては、規制委が18年9月に新規制基準を満たすとした審査書を決定。同11月には20年間の運転期間の延長も認可した。原電側は19年、大井川和彦茨城県知事らに再稼働の意向を伝えている。
 日本原子力発電の話 誠に遺憾で到底承服できない。(2021/03/18-18:09)

2021.03.18 18:09Nation

Court Orders Japan Atomic Not to Operate Tokai No. 2 N-Plant


Mito District Court on Thursday ordered Japan Atomic Power Co. not to operate its idled Tokai No. 2 nuclear power plant in Ibaraki Prefecture near Tokyo.
   Japan Atomic Power's evacuation planning is far from enough, Presiding Judge Eiko Maeda said, handing down a ruling in a lawsuit filed by 224 plaintiffs, including those living near the plant in the village of Tokai, eastern Japan.
   The company's "disaster management system is extremely insufficient and lacks safety," she also said. Japan Atomic Power plans to file an appeal.
   The facility in question is the only nuclear power plant in the Tokyo metropolitan area.
   In September 2018, the Nuclear Regulation Authority confirmed that the plant meets the country's new safety standard. In November that year, the NRA approved an extension of the aging plant's operational life by 20 years.

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