全域の避難解除遠く 復興拠点で居住促進―福島
東京電力福島第1原発事故の避難指示は、除染作業が進み、福島県内の7市町村にまたがる帰還困難区域を除いて全て解除された。ただ、同区域は東京23区の面積の半分以上に当たる337平方キロメートルの広さがあり、住民登録する計約2万2000人の避難者は今も古里に戻ることができない。
政府と6町村は、帰還困難区域に「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)を設け、来春以降の帰還を目指して除染や生活環境の整備を進めている。唯一、全町避難が続く双葉町では、集合住宅の建設工事の作業員を乗せたトラックが日々行き交う。
大熊町では8日、復興拠点内の立ち入り規制が緩和され、中心部のJR大野駅周辺に、日中は自由に入れるようになった。町は10月から帰還を希望する町民が準備宿泊できるようインフラ復旧を急ぐが、依然として荒廃した家屋が残り、どの程度人口が回復するかは見通せない。
帰還困難区域のうち、復興拠点の面積はわずか8%。各町村の首長は、6月までに区域全体の避難解除の時期を示すよう政府に求めたが、9日に改定した政府の復興基本方針に、具体的な見通しは盛り込まれなかった。
「先祖代々受け継いできた土地を元に戻したい」。避難者からは悲痛な声が上がる。一方、10年が経過し、復興庁などの調査では、帰還の意思を示す人の割合は原発周辺4町でいずれも1割前後にとどまった。復興拠点外に山林に囲まれた地域もあり、全域の除染にはさらに多額の費用と時間がかかる。政府は難しい対応を迫られている。(2021/03/11-20:32)
10 Years On: Return to Normal Still Far Off for No-Go Zone
An area surrounding the meltdown-stricken nuclear power plant in Fukushima Prefecture, northeastern Japan, faces a long road to a return to normalcy, as the government has yet to clarify when it will lift its evacuation order there.
The evacuation order remains in place for the area, which stretches across seven Fukushima municipalities, despite progress in decontamination in other parts of the prefecture, home to Tokyo Electric Power Company Holdings Inc.'s Fukushima No. 1 nuclear plant.
Some 22,000 people who are registered as residents of 337 square kilometers of the "difficult-to-return" zone cannot go back to their homes.
The government and six of the municipalities containing the difficult-to-return zone have set up special districts to concentrate decontamination and other reconstruction efforts, in a bid to have people return to the areas as early as spring next year.
On Monday, the government eased its entry restrictions for the special district in Okuma, enabling people to freely visit the area around Ono Station of East Japan Railway Co. , or JR East, during the daytime.
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